研究課題/領域番号 |
06453125
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米田 徳彦 北海道大学, 工学部, 教授 (50001219)
|
研究分担者 |
福原 彊 北海道大学, 工学部, 助手 (50238507)
原 正治 北海道大学, 工学部, 助教授 (20109490)
|
キーワード | フッ化水素 / HF-塩基溶液 / ヒドロフッ素化 / β-ケトエステル / ヒドロフッ素化反応 / 電解フッ素化反応 / ヨードトルエンジフルオリド / トリエチルアミン-ペンタキス(ヒドロフルオリド) |
研究概要 |
平成8年度は、6・7年度の成果をもとにした研究を行い、以下に示す1-4の反応についての知見を得た。 1.高活性・高選択的フッ素化試薬としてのEt_3N-5HF溶液:HFとEt_3Nから容易に調整されるEt_3N-5HFが不飽和結合へのヒドロフッ素化や不飽和アルデヒドの環化フッ素化に対して高活性・高選択的フッ素化試薬となることを見出した。また、種々の有機化合物の電解フッ素化反応の支持電解質として優れていることを明らかにした。 2.HF-塩基とオレフィンおよび不飽和アルデヒドとの反応:n値が5あるいは6のEt_3N-nHF錯体は種々の分枝オレフィンに選択的にヒドロフッ素化して、分子内の他の二重結合やケトンおよびアルコール等の官能基の影響を受けずに三級アルキルフルオリドを与えた。また、5あるいは6-アルケナ-ルは立体選択的環化を伴ってフッ素化が進行し、対応する含フッ素環状アルコールを良好な収率で生成することを見出した。 3.HF-塩基溶液を支持電解質として用いる電解フッ素化反応:HF-塩基溶液を支持電解質として用いる電解フッ素化反応について検討した結果、脂肪族アルデヒドはカルボニルα位のホルミル水素のフッ素交換が進行し対応する酸フルオリドが生成した。また、2, 2-二置換環状ケトンをEt_3N-nHFを支持電解質として電解酸化するとカルボニル基のα位のC-C結合が選択的に開裂してフルオロカルボン酸フルオリドを与え、この化合物は容易にあるコール分解を受けて安定なフルオロカルボン酸エステルを高収率で与えた。 4.β-ケトエステルのα位選択的フッ素化反応:β-ケトエステルのα位フッ素化はHF-塩基やヨードトルエンジフルオリドがそれぞれ単独では進行しないが、これらを共存させた溶液を用いるとα-フルオロ体が高収率で得られることを見出した。また、この反応はヨードトルエンを電解フッ素化して得られるヨードトルエンジフルオリドをイン-セル法、すなわちメディエータとして触媒量のヨードトルエンを用いる間接電解法によっても可能であることを明らかにした。
|