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1995 年度 実績報告書

テルル原子上でのラジカル置換反応を利用する有機合成反応の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 06453139
研究機関大阪大学

研究代表者

園田 昇  大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)

研究分担者 神戸 宣明  大阪大学, 工学部, 助教授 (60144432)
キーワード有機テルル化合物 / アルキン類 / アルケン類 / 付加反応 / トランスメタル化反応 / ビニルテルリド / ビニル金属化合物
研究概要

本研究は、テルル原子上でのラジカル置換反応を利用する、新しい合成反応の開発を目的としている。本年度は、テルリドと種々のオレフィン類およびアセチレン類との反応について、その適用範囲を明らかにするとともに、この反応をビニルテルリドの新規合成法として確立し、合成化学的応用に向けて展開することを主目的とした。さらに、本反応により生成させたビニルテルリドを、種々の有機金属種に変換する新反応の開発を行った。本年度の成果は、下記の通りである。1.ジアルキルテルリドに2当量のアセチレン類を反応させることにより、ジビニルテルリドの高効率的かつ立体選択的合成法を確立した。2.アセチレン類へのテルリドの付加反応の立体選択性が、遷移状態における置換基同士の立体反発の効果により説明できることを明らかにした。3.テルリドのテルル一炭素結合解裂の位置選択性が、生成するラジカルの安定性の差に基ずく事を明らかにした。4.電子吸引性置換基を有するテルリドを種々のオレフィン類に付加させることにより、テルリドの新しい合成法を開発した。5.ビニルテルリドと種々の有機金属試薬との反応を検討した結果、有機リチウム、アルミニウム、亜鉛、およびジルコニウム化合物とトランスメタル化反応が進行し、対応するビニル金属種が生成することを見いだした。さらに、この方法で生成させたビニル金属種は、遷移金属触媒などを用いることにより、有機ハロゲン化合物等とのカップリング反応に利用できることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Inoue: "Conversion of Tellurol Esters to Enol Silyl Ethers of Acylsilanes" J.Org.Chem.59. 8209-8214 (1994)

  • [文献書誌] T.Inoue: "Generation of b-Lithiocarbonyl Synthons via Lithium-Tellurium Exchange Reactions" Synlett. 2. 209-212 (1995)

  • [文献書誌] T.Kanda: "A One-pot Conversion of Propargylic Bromides to Allenyl-,Propargyl-and 1-propynyllithiums" Synlett. 7. 745-747 (1995)

  • [文献書誌] T.Inoue: "Synthesis of Thiol,Selenol,and Tellurol Esters from Aldehydes by the Reaction with iBu_2AIYR(Y=S,Se,Te)" J.Org.Chem.59. 5824-5827 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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