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1995 年度 実績報告書

糖タンパク質N-アスパラギン型オリゴ糖鎖の化学修飾による機能化

研究課題

研究課題/領域番号 06453142
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小川 誠一郎  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00051475)

キーワード複合糖質の合成 / カルバ糖(擬似糖) / シクリトールの化学 / 糖転移酵素阻害剤 / 糖加水分解酵素阻害剤
研究概要

真核細胞表層に存在する糖脂質・糖タンパク質に含まれるオリゴ糖鎖が様々な生物機能発現を担う部位として注目を集めている。本研究は糖タンパク質N-アスパラギン酸糖鎖に関する生合成をコントロールする糖転移酵素、糖加水分解酵素の活性発現に対し、有機合成化学的に迫まろうとするものである。すなわち、これら酵素の活性を阻害する化合物あるいは本来の基質となる糖鎖の擬似体を合成して、活性と構造の相関をさぐると共に、積極的にここで得られたデータを基にして、生合成あるいは生化学的性質の解明に用いる試験薬を開発し、さらにこれらを診断薬や医薬に結びつけようと考えている。
前年度はガン細胞の転移能に密接に関連するN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼVに対する合成基質β-GlcNAc (1→2) -α-Manp (1→6) -β-Glcp O octyLのマンノース残基をカルバ糖残基で置き換えてみたところ、基質としての機能が全く失なわれないことがわかった。この結果は、エーテル結合型で導入されたカルバ糖残基は真の糖と同様に転移酵素によって認識されたことを示していた。より一般的に、推論をひろげてみると、こうして導入された真の糖とは似て非なる(化学的に)カルバ糖が生体内の認識部位にまちがえられて取り込まれてしまう可能性を示唆していることになる。そこで、本年度は、基礎的なデータを蓄積する目的にもかなう、カルバ型のマルトールを全部合成してみた。さらに、N-アスパラギン型オリゴ糖鎖に見られるコアニ糖を三種類合成することができた(未発表)。これらのカルバニ糖の生物活性は現在検定依頼中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S. Ogawa, T. Furuya, H. Tsunoda: "Synthesis of β-D-GlcpNAc- (1→2) 5a-carba-α-D-Manp- (1→6) -β-D-Glcp-O(CH_2) CH_3: A Reactive Acceptor Analog for GlcNAcT-V" Carbohydrate Research. 271. 197-205 (1995)

  • [文献書誌] S. Ogawa, S. Sasaki, H. Tsunoda: "Synthesis of Carbocyclic Analogs of the Mannosyl Trisaccharide: Ether- and Imino-Linked Methyl 3,6-bis (5a-carba-α-D-mannopyranosyl) -3,6-dideoxy-α-D-mannopyranosides" Carbohydrate Research. 274. 183-196 (1995)

  • [文献書誌] H. Tsunoda, S. Sasaki, T. Furuya, S. Ogawa: "Synthesis of Methyl 5a'-Carbamaltoses Linked by Imino, Ether and Sulfide Bridges and Unsaturated Derivatives Thereof" Liebigs Annalen der Chemie. 159-165 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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