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1996 年度 実績報告書

糖タンパク質N-アスパラギン型オリゴ糖鎖の化学修飾による機能化

研究課題

研究課題/領域番号 06453142
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小川 誠一郎  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00051475)

キーワード複合糖質の合成 / カルバ糖(疑似糖質) / シクリトールの化学 / 糖転移酵素阻害剤 / 糖加水分解酵素阻害剤
研究概要

α-グルコシダーゼIは、アスパラギン型オリゴ糖鎖の生合成プロセッシングに作用する糖加水分解酵素の一つであり、基質である14糖の非還元末端に存在するグルコース残基を特異的に加水分解する。この酵素の活性を阻害できれば、たとえばHIVエンベロープ糖タンパク質糖鎖の生合成経路が断たれ、結果として、HIVの宿主細胞との結合能、合胞体形成能および感染能が低下すると考えられている。したがって、α-グルコシダーゼI阻害剤には抗HIV活性を示すものが知られている(N-ブチルデオキシノジリマイシンなど)。私どもが最近見い出したアミノシクロペンタンポリオールのN-ブチル環状イソ尿素体は最高水準の阻害活性を示したがin vivoでの活性は多少落ちることがわかった。そこで、この阻害活性発現を担うコア構造を直接に、14糖非還元末端部に導入し、基質モデルに類似する阻害剤をデザインした。Kojibiose型の二糖および、これにグルコース残基を一つ加えた三糖類を化学合成した。一方、アミノシクリトールのかわりにα-バリエナミン残基を導入した二糖も合成した。生理活性検定の結果、これら3種の化合物は強力なα-グルコシダーゼ(Bakers yeast)阻害剤であったが、α-グルコシダーゼIに対して微弱な活性しか示さなかった。この事実は、この酵素が認識する部位が、加水分解される糖鎖部分から離れたところについても配慮されていることを示しており、阻害剤のデザインにおいては、14糖全体の3次元構造解析が必要であろう。これは現時点では非常に困難な課題である。できれば酵素自体の構造解明が同時に進められ、両者の研究結果が優秀な阻害剤の創製につながることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Tsunoda,S.Sasaki,T.Furuya,S.Ogawa: "Synthesis of Methyl 5a′-Carbamaltoses Linked by Imino,Ether and Sulfide Bridges and Unsaturated Derivatives Thereof" Liebigs Annalen der Chemie. 159-165 (1996)

  • [文献書誌] S.Ogawa,K.Hirai,M.Ohno,T.Furuya,S.Sasaki,H.Tsunoda: "Preparation of Versatile Intermediates for Ether-Linked 5a-Carba Oligosaccharides:Synthesis of 5a-Carba-β-D-GlcpNAc-(1→4)-D-Manp" Liebigs Annalen der Chemie. 673-677 (1996)

  • [文献書誌] S.Ogawa,K.Hirai,T.Yamazaki,A.Nakajima,N.Matsunaga: "Synthesis of Methyl 5a′-Carba-β-lactosides" Carbohydrate Letters. 2. 183-188 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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