1.環状ゲルマニウムエノラートの開環重合によるポリ(ゲルマニウムエノラート)の合成 二価ゲルマニウム化合物ゲルミレンと鎖状のα、β-不飽和カルボニル化合物から得られる環状ゲルマニウムエノラートの開環重合を検討した。ビスビストリメチルシリルタイプのゲルミレンより得られる種々の環状ゲルマニウムエノラートに様々なアニオン性触媒を作用させたところ、目的とする開環重合は進行しなかったが、環状のインダンタイプのゲルミレンより合成されるスピロ型ゲルマニウムエノラートでは、アニオン性触媒による開環重合によりポリマーが生成した。得られたポリマーはNMR分析により酸素-ゲルマニウムエノラート、及び炭素-ゲルマニウムエノラートに由来するユニットをランダムに有する新規直鎖状のポリ(ゲルマニウムエノラート)であった。この開環重合はO-Ge結合間の位置選択的開裂を伴うものである。 ゲルミレンと環状α、β-不飽和エステルとの共重合 ビスビストリメチルシリル基を置換基に有するゲルミレンと環状α、β-不飽和エステル化合物との共重合により主鎖に4価ゲルマニウムユニットとケテンアセタールユニットを交互に有する新規含ゲルマニウムポリマーを合成した。生成ポリマーはケテンアセタール構造を有するために非常に高反応性であり、空気中で容易に加水分解を受ける。今後、生成ポリマーの分子量ならびに分子量分布の決定を行う予定である。
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