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1994 年度 実績報告書

糸状菌の新規なラクトナーゼの構造・機能およびパントラクトン光学分割への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06453167
研究機関京都大学

研究代表者

清水 昌  京都大学, 農学部, 教授 (70093250)

研究分担者 片岡 道彦  京都大学, 農学部, 助手 (90252494)
小林 達彦  京都大学, 農学部, 講師 (70221976)
キーワードパントラクトン / 光学分割 / ラクトナーゼ / Fusarium oxysporum / ハイマンノース型糖鎖
研究概要

(1)パントラクトンの光学分割反応のためのラクトナーゼの調製 F.oxysporumの培養条件を変化させて、菌体内のラクトナーゼ生産量の増大を検討したところ、炭素源として、これまで用いていたスクロースなどの糖類は活性を抑えることが判明した。一方、グリセロール、大豆油等の脂質を炭素源とすると活性の上昇が認められた。また、窒素源の検討結果から、塩化アンモニウム等の無機窒素源が活性を強く抑制するのに対して、ポリペプトン等の有機窒素源が有効であることを認めた。グリセロールおよびポリペプトンを用いることにより、これまで用いていた培地で得られていた菌体より3倍以上高い活性を有する菌体を調製することが可能となった。この菌体を用いてパントラクトン光学分割の検討を行なったところ、200gΛのラセミ体パントラクトンをほぼ定量的に光学分割することができた。今後さらに反応条件の検討を行なうことにより、実用レベルの生産量である500gΛ以上のパントラクトンの光学分割を達成していかなければならない。
(2)ラクトナーゼの生化学的研究 本酵素から糖鎖を精製・単離し、糖鎖構造を解明した。その結果、本酵素は3種類のハイマンノース型糖鎖を有しており、そのうちの1つはこれまでに報告されていない新規な構造を有していることが判明した。さらに、脱糖鎖した酵素と脱糖鎖していない酵素を用いて、酵素の基質特異性、温度安定性等に対する糖鎖の有無の影響を調べたところ、本酵素において糖鎖は主に安定性に寄与していることが判った。さらに、アミノ酸1次構造や糖鎖の結合位置を含め、本酵素の構造解析を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 清水 昌: "微生物ペルオキシダーゼの機能解析とその利用" 農化誌. 68. 1689-1692 (1994)

  • [文献書誌] 清水 昌: "「スクリーニング」にまつわるあいまいな話" バイオサイエンスとインダストリー. 52. 134 (1994)

  • [文献書誌] Kobayashi,M.etal.: "Versatile nitrilases:Nitrile-hydrolyzing enzymes" FEMS Microbiol.Lett.120. 217-224 (1994)

  • [文献書誌] Kobayashi,M.et al.: "Occurrence of novel enzymes involved in biosynshesis of indole-3-acetic acid from indole-e-acetonitrile in plant-accociated bactcria" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 92. 714-718 (1995)

  • [文献書誌] Katoka,M.et al.: "Optical resolution of racemic pantoyl lactone with lactonohydrolas" Appl.Microbilo.Biotechnol.(in press). (1995)

  • [文献書誌] Ogawa,J.et al.: "beta-Ureidopropionase from N-carbamoyl-L-amino acid amidohydrolase" Eur.J.Biochem.223. 625-630 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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