研究課題/領域番号 |
06453175
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松野 隆一 京都大学, 農学部, 教授 (30032931)
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研究分担者 |
木村 幸敬 京都大学, 農学部, 助手 (70211878)
安達 修二 京都大学, 農学部, 助教授 (90115783)
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キーワード | 界面活性剤 / 酵素工学 / 溶媒工学 / 酵素合成 / アルキルグルコシド |
研究概要 |
食品成分である糖、アミノ酸、脂肪酸などから多様な特性を有する可食性の界面活性剤を加水分解酵素の縮合作用を利用して合成する反応の解析とバイオリアクターシステムの構築を目的としている。ことに、反応効率に及ぼす溶媒特性の影響を検討する。 1.アルキルグルコシドの合成条件の検討:可食性とは言い難いが、比較的高い収率が達成できることが知られているβ-グルコシダーゼによるグルコースとアルコールからのアルキルグルコシドの合成について検討した。基質であるアルコール(炭素鎖長6〜12)を有機相、酵素とグリコースが溶解した緩衝液を水相とする二相系での反応を行い、各種条件下での平衡収率を予測する方法を確立した。なお、本反応系では、副反応として水相でオリゴ糖が生成するが、その程度も正確に予測できた。さらに、本研究を行うに当たって不可欠な生成物の定量に、多孔性のトリメチロールプロパン・トリメタアクリレートゲルを充填した高速液体クロマトグラフィが有効なことを見い出し、アルキルグルコシドおよびアルコールの溶出挙動に及ぼす溶離液組成の影響を説明する新たなモデルを提出した。 2.アシルアミノ酸の合成条件の検討:アミノアシラーゼの縮合作用を用いて、アミノ酸と脂肪酸からアシルアミノ酸を合成した。まず、アミノ酸としてメチオニンを用いた水系での合成反応について検討し、炭素鎖長7までの脂肪酸がメチオニンと縮合し、対応する生成物を与えること明らかにした。しかし、収率は十分ではなった。そこで、酢酸エチルを有機相とする二相系反応について検討したが、収率の向上は認められなかった。次いで、グリセロールの添加効果について検討したところ、若干の収率の向上が認められたが、十分ではなく、さらなる検討が必要である。
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