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1994 年度 実績報告書

ブリ飼料の魚粉代替源の検索およびその栄養価の改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06453179
研究種目

一般研究(B)

研究機関高知大学

研究代表者

示野 貞夫  高知大学, 農学部, 教授 (00036732)

研究分担者 池田 至  水産大学校, 講師
益本 俊郎  高知大学, 農学部, 助手 (10238917)
細川 秀毅  高知大学, 農学部, 助教授 (40036744)
キーワード魚粉代替タンパク質 / 大豆油粕 / コーングルテン / アミノ酸組成 / 栄養価の向上 / 消化過程 / 摂餌刺激物質
研究概要

1.新開発の麦芽タンパク質(MPF)の栄養価を化学分析と飼育試験から評価した。魚粉に比べてMPFでは,糖質が多くてタンパク質が少なく,またLysとMetが少なかった。10-40%のMPF代替飼料でブリを飼育した結果,30%以上の代替区では成長や飼料効率が低下したが、20%以下の代替区では無代替区と同等の成績がみられ,魚粉代替源としてMPFが有用であることが明らかになり,日本水産学会誌に発表した。
2.30%大豆油粕代替飼料に対するリンの好適添加量を調べた。その結果,無添加区では血液性状や成長が劣っていたが,1.5%のリン酸1カリウム(リンとして0.68%)の添加により向上した。3%以上の添加は悪影響を招き,ブリ実用飼料に対する好適添加量は1.5%前後と判断され,水産増殖学会誌に発表した。
3.大豆油粕栄養価の改善を目的として,精製と発酵の効果を化学分析とブリの飼育試験から調べた。アルコール精製により油粕の糖質が減りタンパク質が増えた。精製油粕代替区のブリでは,未精製区ばかりでなく無代替区にも勝る成長や飼料効率がみられ,アルコール精製の有効性が明らかになり,水産増殖学会誌に発表した。
4.生および加熱油粕をブリに強制給与し,消化過程を比較した。生油粕は胃を速やかに通過し,小腸でも消化は余り進まずに排泄された。一方,加熱油粕は胃をゆっくり通過し,小腸で多量かつ長時間滞留して消化され,魚粉に似た消化過程をたどり,加熱による栄養価の向上が明らかになり,日本水産学会誌に発表した。
5.マアジ筋肉の合成エキスを用いて,イサキの摂餌刺激物質を検索した結果,合成エキスの塩基群はイサキの摂餌を阻害した。一方、アミノ酸群またはヌクレオチド群は摂餌を賦活したし,両者の混合物はさらに顕著に賦活することが明らかになり,アミノ酸・ヌクレオチド混合物の摂餌促進効果を水産大学校研究報告に発表した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ養魚における加熱および無加熱大豆油粕の消化と血清成分の変化." 日本水産学会誌. 60. 95-99 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ実用飼料に対するリン酸1カリウムの添加効果." 水産増殖. 42. 239-245 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ稚魚に対する大豆油粕の精製および発酵による栄養価の向上." 水産増殖. 42. 247-252 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ稚魚飼料に対する粉末麦芽タンパク質の配合." 日本水産学会誌. 60. 521-525 (1994)

  • [文献書誌] 木村真敏: "マアジ筋肉エキス中のイサキに対する摂餌刺激物質の検討." 水産大学校研究報告. 43. 21-25 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ飼料の魚粉代替源-1.代替源研究の必要性と大豆油粕の有効性." 養殖. 31. 78-81 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ飼料の魚粉代替源-2.代替タンパク質源の探索." 養殖. 32. 76-79 (1995)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "ブリ飼料の魚粉代替源-3.魚粉代替源の併用添加効果." 養殖. 32(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "新しい養魚飼料-代替タンパク質も利用-" 恒星社厚生閣, 118 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "養魚用代替飼料の利用マニュアル-モイストペレット飼料-." 水産庁・全国かん水養魚協会, 29 (1994)

  • [文献書誌] 示野貞夫: "黒潮と土佐" 高知新聞社, 315 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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