水生動植物には通常の蛋白質由来のアミノ酸とは異なる異常アミノ酸を構成成分とする、生理活性ペプチドを含有するものが多い。我々はこれらペプチドの化学構造と生物機能の相関の解明と、生物機能発現構造の特定化を目的として、この10年来異常アミノ酸を含有する生理活性ペプチドの効率的構築法を研究している。本年はTheonella種の海綿より見出された19員環環状ペプチドサイクロセオナマイドBの新規合成法を目指して研究を行った。このものは強力なプロティナーゼ阻害剤であることが知られており、我々はすでにその合成を達成しているが、今回はサイクロセオナマイドBのアルギニン部をオルニチン部にかえたものを合成し、最後にオルニチン部をアルギニン部に変換することによりサイクロセオナマイドBを合成した。
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