ペプチド類のペプチド結合と類似したアミド結合を含む化合物として局所麻酔薬リドカインを選択して生体膜の一つとして皮膚を選択し、リドカインの皮膚透過に及ぼす吸収促進剤の作用を検討をした。 グリチルレチン酸モノヘミフタ-レートの作用 グリチルリチンの関連化合物であるグリチルレチン酸モノヘミフタ-レートは、薬物の鼻腔粘膜透過では優れた促進作用を示したのに、ラットの皮膚では透過促進効果を確認できなかった。グリチルレチン酸モノヘミフタ-レートはラットの皮膚でリドカインの透過促進効果を示さないのに、ヒトではリドカインの局所麻酔作用を増強するのは、この2つの観察を説明するためには皮膚のヒトとラットとの種差なのか、局所麻酔作用が皮膚透過性と直接関係しないのか未解決であるので、局所麻酔作用機構を解明する必要がある。 1ーメントールとd-リモネンの作用 他方、精油に属する1ーメントールとd-リモネンとは経皮吸収促進剤として知られているので、ラットでドカインの経皮吸収への効果を検討したところ、リドカインの経皮吸収を促進したにもかかわらず、リドカインの局所麻酔作用を増強しないので、皮膚を通して薬物の透過を促進しても、局所麻酔効果の増強対応しないことも示唆される。
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