研究概要 |
酸化リチウムに代表されるリチウムセラミックスよりのトリチウム放出挙動に及ぼす、照射効果と表面状態の協同作用を明らかにする目的で研究を行なっており初年度(平成6年度)においては次の成果を得た。 (1)原子炉高温照射下で、照射欠陥によって発生する発光とトリチウム放出挙動を同時に測定できる装置を設計製作した。これを用いて600℃までの照射下発光現象を測定し、温度の効果、中性子スペクトルの効果を実験的に明らかにし、F^0,F^+欠陥の生成、消減挙動との関連でそのメカニズムを考察した。また、発光に雰囲気ガス(N_2,N_2+H_2)の影響がある事が確かめられ、表面状態と表面附近の欠陥挙動とに相関がある事が実験的に認められた。 (2)拡散反射法をフーリエ変換型赤外吸収装置に付け加え、酸化リチウムについて560℃までの高温かつ、雰囲気ガス制御下(Cr,Ar+D_2,Ar+D_2O)において表面重水酸基の伸縮振動吸収を観察し、複数のピークを観察するとともにD_2を添加した場合には、吸収ピークが変化する事を確認した。これよりODの吸着に対して表面が不均質であること、D_2添加により表面状態が変化することを明らかにした。
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