興奮性アミノ酸レセプターの活性化機構とレセプター蛋白の三次構造の解明にむけて、有効なリガンドの分子設計を進めている。興奮性アミノ酸レセプター群のうち、カイニン酸サブタイプの活性化には、グルタミン酸の折り畳み型のコンフォメーションと引き金となる部位の存在が必要であることが、これまでの我々の研究から仮説として提案されていた。本年度は、この仮説を実証するために、このレセプターとの結合に必要であるコンフォメーションと引き金になる部位をあわせもつ、2-(2-カルボキシ-3-エチレンシクロプロピル)グリシン(3′-トランス-エチレン-CCG-IV)の分子設計を行い、その合成を検討した。合成経路はジアゾアセトアミド体の不斉ロジウム触媒を用いた立体選択的な分子内環化付加を鍵段階とし、効率的に目的とする化合物が合成できた。現在、合成品の薬理学的同定(他の研究機関に依頼)を行っている。
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