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1996 年度 実績報告書

DNA塩基配列に基づく有孔虫殻形態の評価

研究課題

研究課題/領域番号 06454002
研究機関静岡大学

研究代表者

北里 洋  静岡大学, 理学部, 教授 (00115445)

研究分担者 吉永 光一  静岡大学, 理学部, 教授 (70021954)
千葉 聡  静岡大学, 理学部, 助手 (10236812)
キーワード底生有孔虫類 / 形態解析 / 分子生物学 / DNA / 塩基配列 / PCR法 / 形態進化 / 分子進化
研究概要

本研究は、底生有孔虫の殻形態をDNAの塩基配列に基づいて分子生物学的見地から評価しようとするものである。研究は、有孔虫がどのような殻の形態変異を示すのかを理解することと、DNA解析を行っている。平成8年度は、Glabratella属とBolivina属についてDNAの塩基配列を決定した。
有孔虫からのDNA抽出およびPCR法による増幅は平成6・7年度と同じ方法を用いた。シークエンシングはプラスミドベクターに導入してクローニングした後、シークエンサーを用いて行った。
本年度は,化石として多産する種類の中から,形態的な特徴がはっきりしたBolivina属および近縁属の有孔虫4属7種(Bolivina robusta,Bolivina cf.robusta,Saidovina subangularis,S.amygdalaeformis,Rectobolivina raphana,R.bifrons,Brizalina spissa)の塩基配列を解析した。種間での塩基配列の違いは,最大28%であった。節約法とNJ法によって分子系統樹を作成したところ,いずれもRectobolivina属の有孔虫2種が系統的に近くなったが,Bokivina,Brizarlina,およびSaidovina属はお互いにかなり離れた系統関係を示した。とくにSaidovinaはBolivina属よりもRectobolivina属と同じクラスターに区分された。しかし,Saidovinaと Rectobolivinaとはともに膨らんで厚い断面を持っており,従来の形態分類ではあまり重要視していない機能形態的な要素に注目することによって分子系統樹と形態分類とを統一的に解釈できるようである。
Glabratella属については,この属の中でもっとも変異の高いGlabratella opercularisの地域個体群内の遺伝的な変異を調べた。静岡県下田市の地域個体群の中に,形態では区別できないが,遺伝的には種内変異を越えた変異が観察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kitazato,H and S.Matsushita: "Laboratory observations of sexual and asexual reproduction of Trochammina hadai Vchio" Trans.Proc.Palaeontol.Soc.Japan,N.S.no 182. 454-466 (1996)

  • [文献書誌] 北里 洋: "冷湧水に伴う底生有孔虫-特徴と適応機構についての考察" 化石. no.60. 48-52 (1996)

  • [文献書誌] 豊福高志、北里 洋、川幡穂高: "海水温指標としての底生有孔虫殻Mg/Ca比、Sr/Ca比の実験的評価" テクノオーシャン'96 論文集. II. 561-566 (1996)

  • [文献書誌] Sunouchi,M,F.Sasaki,S.Chiba and M.Kawata: "Morphelogical change and phylogenetic relationships in Tadpole shrimps (Triops)" Biol.Jour.,Linnean Soc.(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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