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1995 年度 実績報告書

海底洞窟動物群の原始性とその起源

研究課題

研究課題/領域番号 06454003
研究機関国立科学博物館

研究代表者

加瀬 友喜  国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (20124183)

キーワード海底洞窟 / 進化 / 生きた化石 / 南西諸島 / 軟体動物 / サンゴ / 甲殻類
研究概要

1.平成6年度に引き続き南西諸島の伊江島、宮古群島の海底洞窟の調査、および新たに南大東島での調査をおこなった。南西諸島海溝によって遠く隔てられた南大東島の海底洞窟内にも、これまでの南西諸島の海底洞窟内に生息する保育をする幾つかの二枚貝類が認められた。ただし構成する種は、南西諸島の海底洞窟のものとは、若干異なっていることがわかった。また、南大東島の海底洞窟から、多くの未知の種を発見した。これらは順次記載報告する予定である。
2.西太平洋熱帯地域のパラオ諸島とグアム島での予察的な調査を行い、各島毎の海底洞窟貝類群の種構成を明かにした。海洋底によって遠く隔てられているにもかかわらず、保育をする二枚貝種のなかに南西諸島に共通する種がみられることがわかった。
3.南大東島からのPhilobrya属の新種は、この属の北半球での初めての記録である。また。
4.これまで1種とみなされていたPisulina属の種は、4種からなることがわかった。このグループの巻貝は、海底洞窟内に多量の死骸が集積している。殻形態は中生代のアマガイ類に類似し、古い巻貝類の生き残りである可能性があるさらに、Pisulina属の胎殻は異旋回を示し、他の前鰓類の巻貝類では類を見ない。蓋は他のアマガイ類とは明らかに異なり、核がより中心に位置していることを明かにした。今後、生貝の採取に努力し、解剖学的に検討する必要がある。
5.海底洞窟内には肉食の巻貝種は少ないが、わずかに新腹足目の種がみられる。これらのうち、ムシロガイ科の種について分類学的に検討した、その結果、ナミヒメムシロガイ亜属の種に近似した微小な種が4種確認され、それらのうち3種は新種であることがわかった。殻形態や歯舌の特長は、およびナミヒメムシロガイ亜属の種と同じであるが、蓋を欠く点で異なっていることがわかった。蓋を欠く種は、この科の種のなかで初めての発見である。このような新腹足目の種のなかにも、海底洞窟内には特異なグループが生息していることが明かになりつつある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kase,T.& Shigeta,Y.: "New species of Patellogastropoda from the Cretaceous of Hokkaido and Sakhal in" Journal of Paleontology. (印刷中).

  • [文献書誌] Kase,T.,Shigeta,Y.& Futakami,M: "Limpet pits on ammonoid living in surface waters : reply" Lethaia. 28. 315-316 (1995)

  • [文献書誌] Hayami,I,& Kase,T.: "Characteristics of submarine caue bivalves in the Northwest Pacitic" American Malacological Bulletin. (印刷中).

  • [文献書誌] Kase,T.,Miyauchi,T.,& Amano,K.: "Anew bivalve species of the family Ungulinidae from Wakkanai,Hokkaido,Japan" Venus. (印刷中).

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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