1.NAD(P)H→チラコイド膜結合PQの酵素活性測定法 ラン藻Synechocystis 6803よりチラコイド膜を単離し、酵素活性測定法の検討をした。NDH活性は、NAD(P)Hのチラコイド膜への添加時のa)クロロフィル蛍光収率の上昇、b)P700^+の還元、c)メチルヴィオロゲン依存のMehler反応の促進、d)340nm吸光度変化を指標として測定可能であった。 NDHのチラコイド膜からの可溶化と単離 Synechocystis 6803チラコイドよりTritonXを用いて膜タンパク質を可溶化を試みたところ、0.6-0.8%Tritonでロテノンで阻害されるNADPH-メナジオン還元活性が可溶性画分に検出された。ゲルろ過カラムで分離したところ、フィコビリプロテイン複合体と同じ高分子量のフラクションにNDH活性が見出された。またこの活性はロテノンに阻害されたことから、ミトコンドリアのComplex I タイプの複合体であると考えられる。また手異分子量のロテノンに阻害されない活性も存在していることも明らかになった。 3.高等植物プロトプラストでのストロマからプラストキノンへの電子供与に関与するタンパク質をこの活性が高いc4植物のトウモロコシ葉チラコイド膜を用いて検索したところ、アンチマイシンにより阻害されるチトクロームb559がこれに関与していることが明らかになった。すなわち高等植物では、ラン藻等のNDH依存の反応とはまったく異なる電子供与の機構が存在することが推定された。
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