研究課題/領域番号 |
06454021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
守 隆夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011659)
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研究分担者 |
窪川 かおる 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30240740)
朴 民根 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228694)
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キーワード | ホルモン受容体 / 遺伝子 / 脊椎動物 / 生殖活動 / 進化 |
研究概要 |
ホルモンによる情報伝達機構の進化を調べるため、ホルモンの作用を細胞に伝達するために必須の受容体について研究した。具体的な研究は、遺伝子レベルの研究が最も進んでいる哺乳類の生殖活動に関与するホルモン類の受容体を参考にして、より下等な動物のそれを解析し比較する検討することで、受容体の分子進化について何らかの知見を得ようと試みた。昨年度解析に成功し、すでの国際専門誌に公表し鳥類(ウズラ)LH受容体の遺伝子に続き、FSH受容体のホルモン結合部位である細胞外領域の塩基配列とアミノ酸配列を明らかにした。その結果、ウズラのFSH受容体は哺乳類のそれとDNAレベルおよびアミノ酸レベルでそれぞれ約70%と68%のホモロジーを認めた。さらに、爬虫類(トカゲ)のFSH受容体の細胞外領域のアミノ酸配列の解明にも成功し、それは哺乳類のFSH受容体分子アミノ酸配列と67%のホモロジーがあることを明らかにした。なお、ウズラとトカゲの間では69%のホモロジーがあった。現在のところ魚類(ヤマメ)についてはFSH受容体遺伝子がまだとれていないが、あと一歩のところまで実験は進行している。今後は両生類のFSH受容体遺伝子の解明と、これまで取れたウズラとトカゲのFSH受容体の、組織における発現を生理学的状態を考慮して調べる予定である。同時に以前哺乳類(ラット)のGnRH受容体の分子構造を明らかにした本研究グループの実績に基づき、鳥類(ウズラ)、爬虫類(ア-ノルドトカゲ)、魚類(ヤマメ)脳組織からのクローニングを行った。その結果一部ではあるがGnRH受容体を含むcDNAライブラリーの作成は終了し、受容体遺伝子と思われる遺伝子を得て、その塩基配列を調べている段階である。
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