リン酸化型グアニル酸シクラーゼ及びリン酸化ペプチド断片の精製法の改善 昨年度用いた精製法ではリン酸化型グアニル酸シクラーゼの回収率が精製の都度変わるので精製法に改善を加えた。主な点は、出発材料である精子を初めに熱処理して、脱リン酸化を引き起こすプロテインホスファターゼを失活させてから界面活性剤(SDS)で精子を可溶化し、分離用SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動装置により、膜結合型グアニル酸シクラーゼを分離、精製した。この方法により、10gの精子より約2.6mgの酵素タンパク質が得られるようになった。 また、昨年度はグアニル酸シクラーゼをタンパク質分解酵素で制限分解して得られるペプチド断片を逆層カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーで分離精製していたが、理由はわからないが、リン酸化ペプチド断片の回収率が悪く以後の解析を困難にしていたので、今年度はリン酸化ペプチド断片を鉄イオンをリガンドとする親和性クロマトグラフィーでリン酸化ペプチドを選択的に回収し、逆層カラムもより性能のよいカラムに変えて、リン酸化ペプチドを分離、精製した。この結果、キナーゼ様領域に属する1種、触媒領域に属する2種のリン酸化ペプチドが得られた。
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