研究概要 |
(1)クロレラSSUrRNAイントロン関係:クロレラSSUイントロンはP5a,b,c部位が異常に大きく,グループIB型ハンマーヘッド構造をとれないことを明らかにした。これが原因で自己スプライシング反応が塩感受性となっている。これを相補する因子の存在を大腸菌内に見いだした。現在,実体を解析中である。テトラヒメナイントロンのP5a,b,c欠損変異体えはtRNA(Tyr)合成酵素タンパク質がこの補助作用をもっている。クロレラSSUrRNAイントロンのP5部位に特異的変異を導入した構造変異体の準備中に,大腸菌内でSSUイントロン特異的にスプライス反応を活性化する因子の存在を見いだした。この因子の特定の方が重要と判断し方向を切り換えた。この因子はレポーター遺伝子(Bガラクトシダーゼ)を用いて分画中である(小型冷却遠心機備品)。 (2)クロレラウイルスイントロン関係:藻類・原生動物・酵母などの計21種類のグループIB型イントロンの1次・2次構造情報を集積し、クロレラウイルスイントロンの情報プールと比較した(コンピューター備品)。Clustal Vプログラムによる系統解析の結果,これらイントロン間の強い相関性が明かとなり,ウイルスを介してのイントロンの移動が示唆された。クロレラウイルスイントロンについては論文発表後、何人かの内外一線級の研究者からの問い合わせがあり,ますます競争が激しくなると思われる。in vivoでのイントロン水平移動の明確な証明を急ぐ必要がある。 以上,平成6年度の成果の一部は4報の論文に発表した。
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