研究課題/領域番号 |
06454046
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
遠藤 織太郎 筑波大学, 農林学系, 教授 (30143754)
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研究分担者 |
林 久喜 筑波大学, 農林学系, 講師 (70251022)
瀧川 具弘 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (00236382)
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キーワード | 乳苗移植システム / 湛水土壌中直播システム / 稚苗移植システム / 低コスト稲作栽培システム |
研究概要 |
1.各種稲作栽培技術システムの比較評価:(1)湛水土壌中直播栽培技術システム(湛直システム)の作業性・生産性を稚苗移植栽培技術システム(稚苗システム)と比較検討した。(2)主に農作業面から乳苗移植栽培システム(乳苗システム)と稚苗システムの比較評価を行った。その結果、(1)播種・植え付けに至る全作業時間は湛直システムで稚苗システムの20%以下となり、また、(2)育苗作業時間では乳苗システムで稚苗システムの39%以下とそれぞれ大幅な省力化が認められた。 乳苗システムと稚苗システムでは収量差はなく、湛直システムで不安定となった。 2.新乳苗稲作栽培技術システムの標準化と実験的・実証的評価:(1)標準施肥・多肥条件で栽植密度が乳苗の生育・収量に及ぼす影響について、(2)窒素施肥法が乳苗の生育・収量に及ぼす影響について、(3)低農薬条件下の乳苗栽培が病害の発生、生育収量に及ぼす影響について、比較検討した。その結果、(1)乳苗低密度(疎植)栽培で稲群落は良好な状態を維持し、倒伏も少なく、安定した収量が確保された。また、(2)基肥に緩効性肥料を施し、基肥窒素量を抑えて、追肥を主体にした側条施肥法により、安定した収量が得られた。(3)低農薬条件(殺菌剤1回程度散布)でも疎植栽培で稲体のSiO_2/N比、稈の挫折抵抗値を高め、病害発生が顕著に抑制されることが認められた。また、低農薬条件でも安定収量が得られた。 3.乳苗・稚苗・湛直システムの最適化法の検討と評価:乳苗栽培は高い作業性を示し、側条施肥法により安定した収量が得られることが明らかになった。また、稚直システムでは大幅な省力化は得られるが、現状の栽培技術では収量の安定が確保できない。最適湛直システム化のためには、苗立ち歩合の向上と安定化、野鳥対策、倒伏対策など解決すべき課題が残された。これらについては、今後引きつづき検討していきたい。
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