研究課題/領域番号 |
06454053
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武内 和彦 東京大学, 農学部, 助教授 (90112474)
|
研究分担者 |
加藤 和弘 東京大学, 農学部, 助手 (60242161)
井手 任 農林水産省, 農業環境技術研究所・環境管理部, 研究員
|
キーワード | ランドスケープ・エコロジー / パッチダイナミクス / 多様性維持機構 / 農村緑地 / 種のフロー / 生物群集 / 動態単位 / 再生複合体 |
研究概要 |
農村のランドスケープの基本的な構造を、1)生物群集が主にパッチ状に分布する場合(パッチ分布型)と、2)生物群集が主に帯状に連続して分布する場合(コリド-分布型)とにわけ、それぞれについて、多様性維持機構を解明するための生物群集のストック・フロー図の推定方法を検討した。研究実績の概要は以下のようである。 1)パッチ型分布の農村緑地の事例として、つくば市周辺の平地林をとりあげ、移動力の弱い種(林内生育型で風散布型の植物)を例に、ストック・フローを推定するモデルを試作した。人為的な攪乱(周期的な伐採・林床管理)の頻度は、種の移動能力や群集内での生育特性との関係から、生物群集のストック・フローに影響を与える重要な要因となることが明らかになった。 2)コリド-型分布の農村緑地の事例として、帯広市の河辺植生帯・防風保安林・耕地防風林をとりあげ、現地調査およびヒアリング調査から、植物と動物の相互関係を背景に動植物の移動・交換の範囲を推定するための基礎資料を収集した。コリド-型分布における種の移動・交換について、指標群を抽出することができた。これによって、帯状分布の生物群集を主体とする農村緑地についても、パッチダイナミクス理論を援用して、多様性維持機構に接近することが可能となった。
|