(1)調査対象地域の選定と現況調査:大都市都市周辺地域の対象地域として、土地利用図、航空写真、都市計画関係資料、農業・農村関係資料に基づいて、土地利用及び景観の変化の急激に進展した地区と農村地区がともに存在する神戸市西区伊川谷地区を調査対象地として選定した。 (2)調査対象地域のなかで市街地区域に変化した地区と、市街化調整区域の農村地区の両地区の住民意識を比較するため、調査対象地域の航空写真を用いて、景観と土地利用の変化に対する住民意識調査に関する予備調査結果を解析し、検討を行った。 (3)その結果、対象地における市街化地区と農村地区での新旧住民の景観と土地利用の変化に対する意識の差異が明白となった。たとえば、農村地区の住民は、新住民である市街化地区の住民よりも調査対象地域における景観や土地利用の変化に対して、強く意識しており、かつ、変化したと感じている地域の範囲も広い。また、保全すべき地域についての選好も、農村地区の住民と市街化地区の住民で異なることも明らかになった。一方、両地区を縦断する河川に対しては両住民とも共通して緑地帯として保全活用すべきことを訴えているなど、興味深い結果が得られている。 (4)購入したコンピューターにより、調査対象地のコンピューター・グラフィックスの作成に取り掛かっている。 (5)調査対象地域の土地利用及び景観の変化に対する住民意識調査をさらに展開する予定である。そのために、さらに航空写真、都市計画関係資料、農業・農村関係資料の収集と現況調査(社会構造、歴史、自然環境)を実施しなければならない。
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