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1994 年度 実績報告書

タンニン細胞の機能性からみたカキ脱渋機構の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 06454055
研究機関京都大学

研究代表者

米森 敬三  京都大学, 農学部, 助教授 (10111949)

研究分担者 本杉 日野  京都大学, 農学部, 助手 (10182172)
キーワードタンニン細胞 / 脱渋 / カキ / 分子量 / タンニン
研究概要

カキ果実の脱渋機構を再検討するためには、タンニン細胞の機能を明確にし、細胞レベルでのタンニン不溶化反応を解明するとともに、タンニン物質の分子量分布の変化を明らかにすることが不可欠であると考え、以下のような調査を行った。
1.マイクロマニュピレータシステムを利用してタンニン細胞の機能を調査する方法を検討し、200〜300μMの果肉切片から、タンニン細胞の細胞液を直接採取し、それを分析することでタンニン細胞の機能を考察できる実験系を確立した.ただ、1つの細胞から集められる液量が10〜30nLとかなり少ないため、いかに効率的に採取できるかが今後の課題となっている。
2.予備的にマイクロマニュピレータによりタンニン細胞の細胞液を集め、タンニン含量を測定したところ、収穫期にはその細胞に10〜15%のタンニンが含まれていることがわかった。さらに、糖含量を測定したところ、8〜10%の糖が含まれており、果糖とブドウ糖が主で、ショ糖は全く認められないことが明らかとなった.このことより、タンニン細胞の浸透ポテンシャルは柔細胞と比較してかなり低いことが予想された。
3.ゲルクロマトグラフィーによりメタノール抽出液および塩酸メタノール抽出液のタンニンの分子量分布を測定したところ、塩酸メタノールで抽出したタンニンは分子量がかなり小さく、メアノール抽出したタンニンと比較して、その様相がかなり異なっていた.さらに、脱渋処理によりメタノールに不溶となったタンニンも塩酸メタノールで可溶化することが可能であり、可溶化したタンニンの分子量はもとのメタノール抽出液のタンニンの分子量よりもかなり小さかった.これらのことは、タンニンの化学構造を考えるときに、水素結合等の共有結合を考える必要性を示唆しており、脱渋反応においてもこの水素結合の重要性が明らかとなった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 押田正義・米森敬三・杉浦明: "脱渋処理により不溶化した渋ガキタンニンの可溶化現象" 園芸学会雑誌. 63(別1). 64-65 (1994)

  • [文献書誌] K.Yonemori,M.Oshida,A.Sugiura: "On the nature of coagulated tannin cells in deastringent persimunon fruit." Abstrarts of XXLVth International Horticultural Congress. 273- (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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