1.重要土壌病原糸状菌Phizoctonia solaniの宿主認識に関与していると考えられる線状プラスミド、pRS64の翻訳産物として得られる新規タンパク質の構造解析を行うために、発現ベクターpGEXを用いてグルタチオンSトランスフェラーゼとの融合タンパク質として本新規タンパク質を大量に大腸菌内で発現させた。さらに、大腸菌から得られた融合タンパク質は、グルタチオンセファロース4Bを用いて精製し、試料を得た。 2.精製した試料はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、PVDF膜に転写し、超高感度アミノ酸分析装置を用いて一次構造の決定を行い、新規タンパク質は68アミノ酸残基よりなることを認めた。決定したアミノ酸配列はN末端側からMetThrLeuLeuProLysAlaGlyAlaPheThrAsnArgProAspArgArgLeuProGlyValAsnSerrAlaSerGlyAfgSerTrpMetLysLeuProCysLsySerGluGlyAsnCysLeuSerMetProTrpGlylleValLeuArgSerHisSerLeuSerGlyLeuAspArgLeuProLeuGluProProLysValAlaであった。本アミノ酸配列からN末端側から34アミノ酸残基と残りC末端側34アミノ酸残基はペプチド合成機を用いて合成ポリペプチドを化学合成し、家ウサギに注射して特異性の高い抗体を作製した。作製した抗体を用いたウエスタンブロット解析の結果から、エピトープはN末端側に存在することが判明した。
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