研究課題/領域番号 |
06454064
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松山 宣明 九州大学, 農学部, 教授 (40108676)
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研究分担者 |
古屋 成人 九州大学, 農学部, 助手 (10211533)
高浪 洋一 九州大学, 農学部, 助教授 (50243944)
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キーワード | 簡易同定 / 迅速同定 / 植物病原細菌 / クロマトグラフィー / HPLC / GLC / TLC |
研究概要 |
真菌の同定は、主としてその形態的特徴に基づいて行なわれている。一方、細菌は形態的特徴に乏しく、その同定は生理的、生化学的、血清学的、病理学的特徴に基づいて行なわれている。しかし、従来の試験方法は多くの時間と労力を要し、また、結果の判定には可成の経験を必要とする。そこで、簡便で経験を必要としない迅速同定法の開発が切望されて来た。本研究者らは、シリカゲル薄層クロマトグラフィーによる植物病原細菌の迅速同定法を試みこれに成功した。同法は世界で初めての研究であり、世界各国の研究者からの問い合わせや別刷り請求が続いている。当年は、この方法の有用性を確認する為の試験を断続的に行なったほか、高速液体クロマトグラフィーによる迅速化を試み、良好な結果を得ている。すなわち、薄層クロマトグラフィー使用の場合には、同定に最低2.5時間かかるのに対し、高速液体クロマトグラフィーを用いると45分程度で結果が判る。今回は、カラムに逆相系を使用したが、今後はさらにカラムや溶出条件を検討し、迅速化と精密化を図る予定である。一方、本研究者らはガスクロマトグラフィーによる分類・同定法についても試験を行なっており、全植物病原細菌の分類学的再検討、Pseudomonas avenaeの分類学的再検討や植物病原糸状菌の迅速同定についても研究を行なった。これらの結果の一部は既に研究会に公表済みであり、さらに4月に行なわれる植物病理学会において公表予定である。
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