研究課題/領域番号 |
06454072
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
竹島 征二 玉川大学, 農学部, 教授 (10074353)
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研究分担者 |
小川 人士 玉川大学, 農学部, 講師 (50241047)
辻 尭 三菱化成生命科学研究所, 生命画像情報研究室, 主任研究員
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キーワード | 水田土壌 / メタン生成菌 / 硫酸還元菌 / 土壌微生物生態 / 微視的生態 / 蛍光技術 / 顕微分光 / 画像解析 |
研究概要 |
本研究は、メタン生成菌およびこれと競合する硫酸還元菌の微視的な生態を明らかにする検索技術を確立し、実際の土壌中で、メタン生成菌がどのような場で、どのように生息しているか、またメタン生成菌と硫酸還元菌の相互作用などを微視的観点から解明して、微生物生態学の進歩に寄与するとともに、自然界でメタン生成菌の活動を制御する要因を提示することを目的として行った。 上記のような観点から研究を行い、平成6年度は次のような結果を得た。I) 嫌気的条件下にある水田土壌の有機物分解過程におけるメタン生成菌の生態と物質代謝を比較するために、水田土壌を用いた室内インキュベーション実験でpH・Ehの変化および硫化物イオン、低分子有機酸、メタン生成の消長を調べ、メタン生成反応と硫酸還元反応の相互関係を明らかにした。II) メタン生成菌やこれと競合的な関係にある硫酸還元菌が土壌生態系のどのような微小な場に生息するかを明らかにする目的で、これら2種のバクテリアの土壌中での実態を解明する技術の開発を行なった。その結果、後者については、まだ困難な点があったが、前者は蛍光技術導入して実際に土壌中で生育している菌の映像化に成功した。III) メタン生成菌あるいは硫酸還元菌が土壌環境の中で他種のバクテリアに対して占めている位置を明らかにする目的で、土壌中の生きている全部のバクテリア細胞を映像化する方法の開発を試みた。そして、新しい蛍光プローブSulfofluorescein diacetate(SFDA)で土壌微生物を染色するという技術を開発することにより目的を達成した。
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