研究課題/領域番号 |
06454078
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 光 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (80026541)
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研究分担者 |
井上 善晴 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (70203263)
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キーワード | 活性酸素ストレス / Saccharomyces cerevisiae / ストレス耐性 / グルタチオンペルオキシダーゼ / セHansenula mrakii / PCR / 発現ベクター / 過酸化脂質 |
研究概要 |
本研究では2種類の酵母、即ちHansenula mrakiiとSaccharomyces cerevisiaeによるグルタチオン依存的な酸化的ストレス防御機構を分子レベルで明かにすることを目的としている。前者では膜結合型のグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、後者では酸化的ストレス耐性遺伝子(OSR)の分子クローニングと、その機能解析がその主たる研究対象である。本年度に得られた研究成果を以下に要約する。 1.H.mrakiiのGPx遺伝子のクローニング 本菌のGPxは細胞質膜に加え、ミトコンドリア外膜、及び内膜にも存在することを生化学的解析によって証明した。しかしそれら膜画分により得られる精製酵素量は微量であるため、N末端アミノ酸配列を決定するまでに至らなかった。そこで、これまでに報告のある哺乳類由来のGPxのアミノ酸配列のalignmentから、2つの相当性の高い領域が存在することに着目し、ratのGPx-cDNA配列を参考にオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、H.mrakiiの染色体DNAに対しPCRを行い、約350bpのDNA断片を得た。サザン解析及び塩基配列の比較から、本DNA断片はratのGPx-cDNAと高い相同性を示すことを明らかにした。 S.cerevisiaeのOSR遺伝子の機能解析 OSR遺伝子の大腸菌での発現系をtacプロモーターあるいはtrcプロモーターを有する発現ベクターPKK223-3およびPKK233-2を用いて検討した。即ち、各プロモーター下流のSD配列とOSR遺伝子のATG間の長さを種々変えた断片をPCRにより増幅し、各発現ベクターへ連結して発現を試みたが、いずれのconstructについても大量発現が得られなかった。現在pETベクターを利用したconstructを構築中である。一方OSR遺伝子のプロモーター領域の解析の一つとして、プライマー伸長法により転写開始点の同定を行った。その結果、翻訳開始コドン(ATG)の上流124塩基目のTから開始されることを明かにした。
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