研究課題/領域番号 |
06454090
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柴田 叡弌 名古屋大学, 農学部, 教授 (30252282)
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研究分担者 |
肘井 直樹 名古屋大学, 農学部, 助教授 (80202274)
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キーワード | 木材穿孔性昆虫 / キバチ / カラマツヤツバキクイムシ / 青変菌 / アンブロシアキクイムシ / 寄生蜂 / 接種実験 / 共生菌 |
研究概要 |
本年度は2つの木材穿孔性昆虫グループについて、主として以下のような知見が得られた。 キバチ:マツに加害するニトベキバチについて、キバチの生育ステージ(卵期と老熟幼虫期)ごとに異なる2種の寄生蜂による寄生をかなりの効率で受けていることを明らかにし、キバチ個体群の密度制御における寄生蜂の役割を明らかにした(論文印刷中)。また、ニトロベキチの産卵における寄生木選択性を明らかにするため、生立木、衰弱木、伐倒丸太を用いた産卵実験を行った結果、生立木と伐倒直後、および伐倒後1ケ月以上経過した丸太では推定産卵率が極度に低下することを見い出し、最適な寄生木の条件を初めて定量的に明らかにした(論文準備中)。 キクイムシ:カラマツに穿孔するカラマツヤツバキクイムシの生育過程とそれによって伝播される青変菌の菌相の変化を、野外実験と分離実験により明らかにした(論文掲載、論文投稿中)。さらにこれに関して、キクイムシが持ち込む数種の菌に対する樹木側の反応を経時的に明らかにするため、アカマツ幼樹への接種実験を行った(論文投稿中)。また、7種のアンブロシアキクイムシとそれぞれの共生菌との組み合わせによる人工飼育実験を行い、各キクイムシにおる他種キクイムシの共生菌の潜在的な利用可能性とキクイムシと菌の種特異的関係を検討した(投稿準備中)。 このほか、スギカミキリ幼虫のスギ生立木および伐倒時期の異なる丸太への接種実験の結果、生立木では樹脂の分泌が、また伐倒後経過時間の長い丸太では栄養条件と含水率の低下が繁殖成功度に影響したことが示唆された(論文掲載)。
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