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1995 年度 実績報告書

有害プランクトン発生域の広域化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454099
研究機関東京大学

研究代表者

福代 康夫  東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (10165318)

研究分担者 難波 謙二  東京大学, 農学部, 助手 (70242162)
松岡 数充  長崎大学, 教養部, 教授 (00047416)
キーワード有害プランクトン / 渦鞭毛藻 / 有毒渦鞭毛藻 / Alexandrium / シスト / 麻痺性貝毒
研究概要

平成7年7月に岩手県大船渡湾において海底堆積物を採取し、堆積物深度毎のシストの定量と年代測定を行った。その際、調査研究手法の確立を目的として、採取方法と年代測定方法の検討、及び渦鞭毛藻の種による堆積量変動判定手法を適用することの可否の判定を併せて行った。
採取方法の検討にはKK式採泥器、フレーガ-型採泥器、及び平成6年度の設備備品費で作成したTU-1型採泥器の3種を使用して比較した。KK式採泥器では採取できる堆積物量が少なく、同一定点で数回以上の採泥を行った上で同一震度の堆積物を混合して分析試料とする必要があり、データの信頼性に問題があった。フレーガ-型採泥器では採取時に堆積物の巻き上げが起こって、堆積速度が0.25cm/yrと計算された場合と、圧縮が起こって0.18cm/yrと計算された場合があった。TU-1型タ採泥器ではこれらの問題のない柱状試料が得られ、堆積速度も0.23cm/yrと判定された。これらのことから、TU-1型採泥器は目的にかなった機器と判断された。
堆積物の年代測定には半減期22.3年の鉛210の鉛直分布を調べたが、鉛210のr線、ビスマス210のβ線、ポロニウム210のα線を測定する3方法を検討したが、ポロニウム210を利用する方法が、測定が容易であり適当と判断された。堆積速度の判定では、含水率を測定するだけでなく間隙率を測定できればより正確になると思われたが、測定に煩雑さが増す割には精度が増えないため、含水率の測定だけで十分と思われた。
種に関する問題としては、Alexandrium属のシストは発芽後比較的短期間に殻が分解されて消滅してしまうことが分かり、シスト殻の保存性のよいGymnodinium属やProtoperidinium属と同一には堆積物中の分布を検討できず、堆積量変動の解析には材料として不適当なことが考えられ、今後の重要な研究課題として残った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松岡數充他1名: "渦鞭毛藻-Gymonodinium類-接合子の役割と残存性" 月間 海洋. 27. 613-618 (1995)

  • [文献書誌] 松岡數充他1名: "Cyst Methodologies in "IOC Manual on Harmful Marine Microplankton"" ユネスコ(UNESCO)(印刷中), (1996)

  • [文献書誌] 福代康夫: "Alexandrium in "赤潮の化学(改定増補版)"" 恒星社厚生閣(印刷中), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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