研究課題/領域番号 |
06454103
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
土谷 富士夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30003130)
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研究分担者 |
松田 豊 北海道大学, 農学部, 教授 (50003083)
辻 修 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (60155364)
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キーワード | 土壌侵食 / USLE / 降雨係数 / 土壌凍結 / 融雪水 |
研究概要 |
北海道の中でも特に酷寒小雪である十勝地方の融雪期における土壌侵食の発生機構究明のためこの研究を行っている。 本年度の研究概要は、この研究が春先の融雪期を対象としているため、昨年度から本年度にかけての春期の土壌侵食状況と本年度の融雪期の土壌侵食に関しては現在計測中である。 実験の概要としては、まず、冬期間の土壌侵食量を測定するため、USLEに基ずく土壌侵食枠を当大学の圃場に設置した。設置条件は北向き斜面と南向き斜面にそれぞれ3連づつ侵食観測枠を設置し、その下流端に土砂溜を置き、融雪期における流出水量と流亡土量の観測ができるように設定した。そしてこの試験枠の土壌凍結深の推移を調査するため北向き斜面、南向き斜面、平坦地と3地点において土壌凍結計を設置した。 昨年度の、冬期間における気象概況は、ここ2・3年の暖冬傾向を受け、暖かく推移したが1月下旬から2月中旬にかけて、一時期ではあるが寒い時期もあった。しかし、2月下旬から3月はまた暖冬傾向となり、雪解けの早い年となった。土壌侵食は、融雪水が流出し始める2月下旬頃より始まり、3月末にピークを迎えた。また侵食土量は、夏期の降雨係数と冬期間の降雨係数とで比較すると、冬期間の降雨係数の割に流出土量の多いことがわかった。 また北斜面と南斜面の土壌侵食状況を比較すると、北斜面が南斜面と比較して融雪が遅く、一気に消雪するため、土中に凍結層が残存する期間が長くなり、南斜面と比較して流出水量も多く、流亡土量も若干多いことがわかった。 本年度は、降雪が多く、融雪が昨年と比べ遅れ気味に推移しているため、現在土壌侵食量および流出水量を継続観測している状況である。
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