本研究は、大区画であり乾田直播栽培を行なっている各地の水田を対象に、その発芽・生育の不均一性を明らかにし、それが土壌・土層構造とどのような関係にあるのかを明らかにすること、そのうえで、不均一性を削減・解消するための提言を行なうことを目的とした。 (1)各種播種方法の歴史的整理 ・乾田直播技術の発達過程を歴史的に追い、どのような方式がどのような条件のもとで成立・発展・衰退してきたかを整理した。 (2)発芽・生長の不均一性調査 ・各種の乾田直播水田において、播種時期、播種量、発芽率などを調査した。 ・同水田において、発芽後30日、60日、90日、120日の平均的生長量(草丈、株数など)を調査した。 ・同水田において、収穫時の生長量(籾数、籾重、生体重など)を測定した。 (3)土壌・土層構造の調査 ・イネの発芽・生長に関連すると思われる土壌物理性・化学性(肥沃度)・均平度などを調査した。 (4)ライシメータ試験およびポット試験 ・ライシメータおよびポット内で発芽試験を行い、発芽条件を明らかにした。 ・播種密度を「疎」および「密」に変化させ、発芽以降〜収穫時までの、生長過程がどのように変化するかを明らかにした。
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