基質制限培地とHRT/SRTと制御したCSTRメタン発酵装置の基質を制御した培養を行って酢酸分解菌、CO2/H2合成菌濃度の測定法を確立するために、ATP濃度、F420濃度を測定する方法を確立した。これはメタン発酵リアクターの高効率化を図るために重要な測定方法である。さらに、菌の活性を明確にするために位相差顕微鏡(現有)、落射蛍光装置(本年度購入)及び画像解析装置(現有)により、F420補酵素により発生する蛍光濃度がメタン発酵の活性の指標となり得るかどうか検討した。メタン菌の蛍光は照射する励起光の影響を受け、褪色する現象が見られたが、これは励起光照射の影響の他に、サンプリング時の酸素暴露の影響も否定できないことがわかった。この褪色現象は著しい場合もあり解明が必要となった。従って来年度は装置を改良し、嫌気条件を保ちリアルタイムでメタン菌の蛍光濃度を計測できるシステムを構築する。そしてこの装置を用いて、メタン菌螢光の褪色現象の解明、そしてメタン菌螢光濃度とメタン菌菌体濃度、さらに未着手のNADH濃度との関連について検討する。
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