研究課題/領域番号 |
06454131
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
小川 博之 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30012016)
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研究分担者 |
山口 良二 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90150169)
後藤 義孝 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30142136)
加世田 雄時朗 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70041019)
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キーワード | 牛 / 出血性素因 / 血小板 / von Willbrand 因子 / 第XIII因子 / 遺伝スクリーニング |
研究概要 |
和牛の遺伝性出血性疾患、すなわち、Chediak-Higashi症候群(C-HS)、血友病様疾患及び第XIII因子欠乏症の3疾患について継続的に調査研究を行い、保因牛摘発の可能性について検討した。 1)自然発症牛とその血縁牛の継続的収集調査 本年収集した出血牛は昨年度とほぼ同数の29頭で、C-HS、血友病様疾患は少なく、第XIII因子欠乏症が主体であった.この中で、従来第XIII因子低下症と診断してきた症例は第XIII因子の低下、出血時間の延長、常染色体性劣性の遺伝様式、抗ヒトvon Willebrannd抗体を用いたマルチマ-解析、疾患牛の血漿によるヒト血小板凝集能などから、von Willebrand病,typeIIIであることが明らかとなった. 2)第XIII因子の測法を検討した結果、モノダンシルカダベリン法によって定量が可能であることが判明し、疾患牛の父牛、母牛ともに第XIII因子活性の低下が認められた. 3)東京大学との共同研究の結果、疾患牛との比較から第XIII因子のcDNAに点突然変異が認められ、PCR-RFLPによって検出された変異アリルは症状、第XIII因子活性とよく一致することが確認された.この結果、第XIII因子の定量とPCR-RFLPにより、同種接合体(疾患牛)および保因牛の検出が可能となった. 今後の課題として、血友病様疾患では診断の確定、C-HSおよび血友病様疾患の遺伝子診断法の検討がある.
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