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1996 年度 実績報告書

蛋白質リン酸化を介した細胞質分裂開始機構の分子細胞学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454138
研究機関広島大学

研究代表者

池上 晋  広島大学, 生物生産学部, 教授 (80011980)

キーワードヒトデ / 細胞核 / 二重鎖RNA / リン酸化 / 卵細胞
研究概要

細胞質分裂は細胞周期の終結点であり、また、出発点でもある。細胞質分裂がどのような分子的機構によって開始するのか、現在のところ明確な図式が描ける状況には至っていない。しかし、他の細胞周期調節に認められるように、蛋白質リン酸化がこの開始機構において主導的な役割を担うことが予想される。本研究は「蛋白質リン酸化を介した細胞質分裂開始機構」に焦点をあてて研究を行なった。
その成果として、研究課題に直接踏み込んだ研究を進展させ、細胞質分裂時に形成される収縮環構造に、リン酸化されたミオシンが存在するという重要な発見を導き、そのリン酸化を行なう新しい酵素を発見した。
さらに、ヒトデ卵に新しい蛋白質を発見し、これが細胞分裂にcdc2キナーゼによって細胞分裂期特異的にリン酸化されることを見出した。卵には多量のRNAが含まれており、これらは受精後の胚発生に使用される貯蔵型と考えられる。核内の多量の核酸の細胞質への移行、また、その利用には核酸結合タンパク質が機能しているものと思われるが、まだ、それらの分子的実体は不明である。当研究室ではイトマキヒトデ卵母細胞中に、二重鎖RNAに結合する性質を持つ、見かけの分子量が約50kDaのリン酸化タンパク質の存在を見い出した。このタンパク質をNucleic acid-associated protein (NAAP)と命名した。
NAAPは核小体に局在するシャトルタンパク質として知られているほ乳類のB23と約33%のホモロジーを示すタンパク質であった。二つの酸性アミノ酸クラスターの間に塩基性アミノ酸から成る核局在化シグナル(NLS)を持ち、C末端側に核酸結合部位と思われる配列を持つ大変ユニークなタンパク質である。細胞質分裂開始における本蛋白質の機能の解明が待たれる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T. Shimizu et al.: "A covalently crosslinked histone" Nature. 380. 32 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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