研究概要 |
再生神経の成長円錐における小胞関連蛋白であるシナプトフィジン、シナプシンI、シナプトタグミン、及び情報伝達蛋白であるCキナーゼのサブタイプのうちCa^<2+>非依存性サブタイプであるδ,ε,ζの局在を調べた。さらに培養神経の成長円錐においてシナプトブレビンとCキナーゼのCa^<2+>依存性サブタイプであるα、β、γサブタイプの局在をいずれも免疫組織化学的に調べた。 再生芽はランヴィエの絞輪から出て、基底膜とシュワン細胞との間隙を再生軸索となって伸び、その先端は成長円錐という特殊な構造を呈している。 1.シナプトフィジンは正常の有髄線維には少ないが、そこから出る再生軸索の成長円錐には非常に強く陽性となり、その反応は成長円錐の細胞質にビ慢性に広がっていた。 2.シナプシンIもほぼ同様に再生軸索の成長円錐にビ慢性に陽性であるが、小胞周囲により強い傾向にあった。 3.シナプトタグミンはやはり正常の有髄神経軸索には陰性であるが、成長円錐には陽性で、特に小胞の集積部分に強く陽性であった。 4.Cキナーゼのδ,ε,ζはいずれも再生軸索と成長円錐にビ慢性に陽性であった。 5.培養神経の成長円錐にはシナプトブレビンが特に強く陽性で、電子顕微鏡では一部の小胞の境界膜にほぼ一致して金粒子が局在していた。 6.培養神経の成長円錐にはCキナーゼのα,β,γが強陽性であった。
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