研究課題/領域番号 |
06454147
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
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研究分担者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
加計 正文 鹿児島大学, 医学部, 講師 (90214270)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | PACAP / インスリン分泌 / ランゲルハンス島 / オートクリン / 膵β細胞 / PACAP受容体 / Ca^<2+> |
研究概要 |
PACAP刺激-インスリン分泌連関機構:(1)PACAPは10^<-13>Mの低濃度にて、刺激濃度のグルコース(8.3mM)依存下に、ラット膵ランゲルハンス島によるインスリン分泌とcAMP産生を刺激し、分離した単一β細胞の細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)を増加させた。(2)cAMPアナログも[Ca^<2+>]_i増加を誘導した。(3)PACAP10^<-13>Mに対する[Ca^<2+>]_i応答はL型CA^<2+>チャネル阻害剤nitrendipineにより抑制され、それに伴いインスリン分泌応答も抑制された。(4)抗I型PACAP受容体抗体を用いた免疫組織化学により、ラット膵島の全域が陽性染色された。 PACAPの局在:抗PACAP抗体を用いた免疫組織化学により、膵島近傍の神経線維と膵島細胞が陽性染色された。 PACAPのAutocrine/Paracrine作用:(1)β細胞レベル:膵島を高グルコース液中でインキュベートし、上澄み液を採取した。β細胞[Ca^<2+>]_iを測定し、上澄み液の1/100希釈を灌流液に添加すると[Ca^<2+>]_i増加応答が発生した。上澄み液を予め抗PACAP抗体と混ぜてから添加すると[Ca^<2+>]_i増加応答は著明に減弱した。(2)膵島レベル:抗PACAP抗体存在下で膵島を高グルコース液中でインキュベートすると、グルコース誘発インスリン放出は約30%抑制された。非免疫血清はインスリン放出に影響しなかった。 結論:(1)低濃度(10^<-13>M)PACAPは、主として、I型PACAP受容体-cAMP産生を介して、β細胞[Ca^<2+>]_i増加を誘起し、グルコース誘発インスリン分泌を増強する。(2)PACAPは他のインスリン分泌刺激ペプチドに比べ1000培強力である。(3)PACAPは膵島細胞で合成されるホルモンであり、グルコース刺激下で分泌され、膵島β細胞に作用してグルコース誘発インスリン分泌を増強し、Autocrine/Paracrine作用を発揮することが示唆される。
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