研究概要 |
本年度の研究目的は、昨年度に作製した骨格筋型リアノジン受容体欠損マウスの異常を詳細に検討することによりリアノジン受容体の生理的機能に迫ることであった。申請者らはこの変異マウス骨格筋の微細構造の観察から、本受容体は細胞表層膜と筋小胞体膜の近接部においてその両膜間の距離を規定する分子であるが、その形成には必須ではないことを明らかにした(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.92,3381)。また、変異マウス骨格筋には脳型リアノジン受容体が存在することを証明し、それまで適当な実験材料がなく行うことが不可能であった機能的解析を行うことにより、そのイオンチャンネルとしての生理学的性質を明らかにした(EMBO J.14,2999)。 さらに、申請者らは心筋細胞のリアノジン受容体の存在形態(j.Cell Biol.129,659)や、cDNAを導入しリアノジン受容体を大量発現する培養細胞での膜系の形態観察(J.Muscle Res.Cell Motil.16,465)から、特にリアノジン受容体の細胞表層膜と小胞体膜の近接部における形態的機能について明らかにした。
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