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1995 年度 実績報告書

白血球活性化の新しい分子機構に関する薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454159
研究機関三重大学

研究代表者

田中 利男  三重大学, 医学部, 教授 (00135443)

研究分担者 向井 淳  三重大学, 医学部, 助手 (70263019)
中 充子  三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
キーワード白血球 / 走化性 / S100蛋白質 / 細胞内情報伝達 / S100L / PAF / 白血球活性化因子
研究概要

白血球は、免疫アレルギー、炎症、細胞障害などに関与し、生体防御機構の中心的細胞であるばかりでなく種々の病態において重要な役割を果していることは明らかである。しかしながら、これらの病態に対する治療薬の開発は現在なお不十分な状況にある。その主な理由の一つに白血球活性化の分子機構に関する研究成果が不足しており、新しい治療薬開発のための基礎的知見が不十分であることが関係していると思われる。そこで、我々は従来より、白血球の新しい内因性活性化因子を検索してきたが、最近新しい白血球活性化因子を発見した。前年度に引き続きこの新しい白血球活性化因子の同定とその機能について詳細に検討した。その結果、新しい白血球活性化因子はカルシウム結合蛋白質のS100ファミリーに属するS100Lであることが判明した。S100L、0.1nMより有意な白血球走化性が認められ、その強さは血小板活性化因子(PAF)に相当した。さらに、S100Lをリガンドとした結合実験や好酸球活性化実験により、全く新しい受容体を介した情報伝達機構が示された。さらに、他のS100蛋白質(S100ao,S100b,S100C)等には白血球活性化作用はなく、またS100Lの作用に影響を与えなかった。このことは、S100Lに特異的な、新しい白血球活性化機構の存在が強く示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Rika Araki: "Protein Kinase C‐lndependent Activation of Raf‐1 and Mitogen‐Activated Protein Kinase by Leukotriene B4 in Gunia Pig Eosinophils" Biochem. Biophys. Res. Commun.

  • [文献書誌] Takeo Itoh: "A Calponin Peptide Enhances Ca2+ Sensivity of Smooth Muscle Contraction without Affecting Myosin Light Chain Phosphorylation" J. Biol. Chem.270. 20400-20403 (1995)

  • [文献書誌] 田中利男: "血管平滑筋の収縮機構" 血管と内皮. 5. 79-85 (1995)

  • [文献書誌] 田中利男: "細胞内カルシウム結合蛋白質の構造と機能" CLINICAL CALCIUM. 49-56 (1995)

  • [文献書誌] 田中利男: "イノシトールリン脂質代謝応答とカルシウム感受性調節機構" CLINICAL CALCIUM. 5. 8-16 (1995)

  • [文献書誌] 松島聡: "カルシウム結合蛋白質" 日本臨床. 683. 101-102 (1995)

  • [文献書誌] Toshio Tanaka: "Guidebook to the calcium binding‐proteins" Oxford University Press Eds. M. R. Celio(in press), (1996)

  • [文献書誌] Toshio Tanaka: "Smooth Muscle Contraction" Japan Sci. Soc. Press Ed. K. Kohama and K. Saida, 9 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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