研究課題/領域番号 |
06454168
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉川 潮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (40150354)
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研究分担者 |
小西 博昭 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (40252811)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 蛋白質リン酸化酵素 / RACプロテインキナーゼ / PHドメイン / プロテインキナーゼC / 分子クローニング / 分子ファミリー / GTP結合性蛋白質 / カラムクロマトグラフィー |
研究概要 |
PHドメインは蛋白質配列データベースの検索過程で見いだされ、細胞内シグナル伝達に関与する広範な蛋白質中に存在することが示されている。RACプロテインキナーゼはセリン/トレオニン蛋白質リン酸化酵素の一種であり、当初、そのアミノ末端側の酵素活性制御領域にはSH2ドメイン配列をもつと推定されていたが、本研究開始後にこのSH2ドメイン様構造を含む領域はPHドメインであることが明らかにされた。そこで、RACプロテインキナーゼのPHドメインに焦点をあて解析を実施した。RACプロテインキナーゼの3種類のサブタイプα、β、γをクローニングし、これらの間でPHドメインとリン酸化酵素触媒ドメインは高いホモロジーを示すことが示された。また、αおよびβは広範な組織に分布しているが、γは脳組織、精巣等に発現が限局していることが明らかにされた。RACプロテインキナーゼPHドメインのGST融合蛋白質を用い結合蛋白質の検索を実施し、特異的結合蛋白質のうち一種類はプロテインキナーゼC分子種であることを見い出し、欠失ミュータントを用いプロテインキナーゼCとの結合部位がPHドメインアミノ末端側のβシートのβ1およびβ2を含む領域であることを明らかにした。また、3種類のRACプロテインキナーゼサブタイプが、三量体G蛋白質βγサブユニットとも結合することも示された。RACプロテインキナーゼとプロテインキナーゼCとの共発現細胞を用いて免疫沈降法により両者の結合を検討した結果、両者が実際に細胞内で結合することが証明され、また、両分子ファミリーのサブタイプ間で結合特異性が存在することが示された。以上のように、RACプロテインキナーゼ分子ファミリーについて基礎的解析を完了し、本酵素ファミリーの生理的意義の解明にむけた研究を行なう要件を整えることができた。
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