研究課題/領域番号 |
06454169
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
静田 裕 高知医科大学, 医学部, 教授 (50025631)
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研究分担者 |
土居 義典 高知医科大学, 医学部, 教授 (90140144)
宮原 馨 高知医科大学, 医学部, 助手 (30229877)
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キーワード | ステロイドホルモン / 女性ホルモン(エストロゲン) / コルチゾール / アルドステロン / NO合成酵素 / 遺伝子疾患 / 遺伝子制御 / NF-IL6 |
研究概要 |
ステロイドホルモンは、高等動物における色々な生命現象を制御する重要な物質である。本研究は、ステロイドホルモンの中で、女性ホルモン合成酵素およびコルチゾーンとアルドステロンの合成酵素の生合成とその遺伝子制御を解明することを目指すものである。まず、女性ホルモン合成酵素(P-450arom)の遺伝子制御については、遺伝子発現が発癌ホルボールエステルTPAにより、著しく促進され、これが転写開始点の上流-2141と-2115の位置にある26塩基対の配列が重要であることを明かにした。そして、この塩基配列を特異的に認識して結合する蛋白をコードするcDNAクローンを得た。この塩基配列から、このタンパク質は、免疫細胞の増殖時に転写するNF-IL6であることが判明した。次いで、コルチゾール合成酵素欠損症の遺伝子分析を行ったが、これは、第7エクソンの片方のDNA鎖に点突然変異があり、他のDNA鎖では、第8と第9エクソンを欠失していることが明かになった。この様に、2つのDNA鎖で、突然変異の部位が異なっているのは、未だ世界で報告されておらず、非常にユニークな症例と考えられる。最後に、アルドステロンとの関連において、血圧調節に関与すると考えられる、血管内皮性のNO合成酵素のゲノムDNAを単離し、21kbに亘って配列を決定し、エクソンが合計26ケあること、第2および第8イントロンに32bpと57bpのミニサテライト構造があることを発見した。これらの成果は、今後の循環器疾患の診断に役立つことが期待される。
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