研究課題/領域番号 |
06454169
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
静田 裕 高知医科大学, 医学部, 教授 (50025631)
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研究分担者 |
野本 聡 高知医科大学, 医学部, 助手 (70271096)
宮原 馨 高知医科大学, 医学部, 助手 (30229877)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | ステロイドホルモン / エストロゲン / アルドステロン / コルチゾール / 転写因子 / NF-IL6 / CMOI&II欠損症 / 11β-欠損症 |
研究概要 |
ステロイドホルモンは、高等動物における色々な生命現象を制御する重要な物質である。本研究はステロイドホルモンの中で、女性ホルモン合成酵素およびコルチゾールとアルドステロンの合成酵素の生合成とその遺伝子制御を解明することを目指すものである。 まず、女性ホルモン合成酵素の遺伝子制御については、遺伝子発現が発癌ホルボールエステルTPAにより著しく促進され、これには転写開始点の上流-2141と-2115の位置にあるヌクレオチド配列がシスエレメントとして重要であることを明らかにし、これに対応する核内のトランスエレメントが、NF-IL6であることを証明した。また各組織において様々にエストロゲン産生が制御されるのは、エクソンIが複数個存在し、alternative splicingを受ける為であることを明らかにした。 次いでアルドステロンの合成酵素は、従来CMOIとCMOIIという2つの酵素から成り、その欠損症が知られているが、我々はステロイド18水酸化酵素(P-450_<c18>)の_cDNAをクローニングしてこれを発現させ、この酵素がアルドステロン合成酵素であることを証明した。そしてCMOI欠損症は本酵素の遺伝子の第1エクソンに5bpのヌクレオチドが欠損する為フレームシフトが起こり、ストップコドンが出現して蛋白が作られなくなる完全欠損症であることを示した。さらにCMOII欠損症は第3エクソンと第7エクソンに各々点突然変異があり、その為に181番目のアルギニンがトリプトファンに置換され、また386番目のバリンがアラニンに置換され、18水酸化活性が非常に弱くなっていることを示した。 最後に11β欠損症の患者の遺伝子解析を行い、この患者では384番目のコドンにC→Gの点突然変異があり、その為アルギニンがグリシンに置換され、不活性な11βのみを産生することを解明した。
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