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1995 年度 実績報告書

メイラード反応後期生成物に対する細胞膜レセプターの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 06454170
研究機関熊本大学

研究代表者

堀内 正公  熊本大学, 医学部, 教授 (10117377)

研究分担者 荒木 令江  熊本大学, 医学部, 助手 (80253722)
キーワードメイラード反応後期生成物(AGE) / AGEレセプター / マクロファージ / スカベンジャーレセプター / 血管平滑筋細胞 / 糖尿病合併症 / 老化
研究概要

生体の多くの蛋白質がメイラード反応を受けており、特に後期反応生成物(AGE)を特異的に認識する細胞膜レセプターは、AGEの老化現象あるいは糖尿病合併症の病態への関与を解く重要な糸口として注目されている。平成7年度は以下の3つの結果が得られた。
【マクロファージのAGEレセプターの分離】マクロファージ(Mφ)系細胞(RAW cells)から精製したAGE結合能を有する4つの蛋白(90K,48K,28K,18K)はN末端解析の結果、3つは既知の蛋白であり、28Kは新規蛋白と考えられた。28Kに関しては現在解析中である。
【AGEレセプターとしのMφスカベンジャーレセプター】Mφスカベンジャーレセプター(MSR)のcDNAを過剰発現したCHO細胞(CHO-SR)は、AGE-BSAに対し有意な取り込み・分解能を示し、この反応はMSRの特異リガンドであるAcetyl-LDLにて効果的に阻害された。また、CHO-SR細胞によるAcetyl-LDLの取り込み・分解はAGE-BSAによって有意に阻害された。又、MSR遺伝子ノックアウトマウスから調製した腹腔Mφを用い、Acetyl-LDLとAGE-BSAの取り込み・分解を比較すると、野生型に比較して、ノックアウトマウスではAcetyl-LDLの取り込み・分解は90%以下に、又、AGE-BSAの取り込み・分解は70%以下に低下していた。これらの結果から、MφによるAGE蛋白の特異的取り込みは主としてMSRを介していると考えられた。
【血管平滑筋細胞のAGEレセプター】動脈硬化病変において平滑筋細胞(SMC)由来の泡沫細胞にAGE化蛋白の蓄積が観察されたので、SMCのAGEレセプターについて解析した。ウサギ大動脈SMCはAGE-BSAに対し特異的に結合するAGEレセプターを有し、リガンドの取り込み及び細胞内分解反応に関与する。又、同時に、AGE-BSAは本SMCに対して細胞遊走(Chemotaxis)を惹起した。しかし、これらの取り込み及び遊走反応はMSRのリガンドであるAcetyl-LDLによって阻害されなかった。従って、SMCに発現しているAGEレセプターはMSRと異なると考えられた。本レセプターはLigand blottingでは200K蛋白であり、現在、分子構造を解析中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Norie Araki: "Macrophage scavenger receptor mediates the endocytic uptake of advanced glycation end-products of the Maillard reaction." Eur.J.Biochem.230. 408-415 (1995)

  • [文献書誌] Shuichi Kume: "Immunohistrochemical and ultrastrucutral detection of advanced glycation end products in atherosclerotic lesions of human aorta using a novel specific monoclonal antibody." Am.J.Pathol.147. 654-667 (1995)

  • [文献書誌] Hirofumi Makino: "Ultrastructure of nonenzymatically glycated mesangial matrix in diabetic nephrophathy." Kidney International. 48. 517-526 (1995)

  • [文献書誌] Tetsushi Saishoji: "Advanced glycation end products stimulate plasminogen activator activity via GM-CSF in RAW264.7 cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.217. 278-285 (1995)

  • [文献書誌] Toshiro Miyata: "Identification of pentosidine as a native structure for advanced glycation end products in β2-microglobulin forming amyloid fibrils in patients with dialysis-related amyloidosis." Proc,Natl.Acad.Sci.USA.(in press). (1996)

  • [文献書誌] Seikoh Horiuchi: "Advanced glycation end products (AGE) and their recognition by macrophage and macrophage-derived cells." Diabetes. (in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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