研究課題/領域番号 |
06454174
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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研究分担者 |
新原 智子 昭和大学, 薬学部, 助手 (60266161)
中谷 良人 昭和大学, 薬学部, 助手 (80266163)
厚味 厳一 昭和大学, 薬学部, 助手 (70276608)
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キーワード | ホスホリパーゼA_2 / アラキドン酸カスケード / 炎症 / MAPキナーゼ / リン酸化 |
研究概要 |
本年度は、85kDa細胞質ホスホリパーゼA_2(cPLA_2)の機能発現について、以下の興味深い知見が得られた。 【1】各種細胞系における発現制御:85kDacPLA_2は殆ど全ての細胞に恒常的に発現されているが、細胞刺激後の発現変動に、細胞の種類によって(1)cPLA_2発現量が殆ど変化しない場合(線維芽細胞)、(2)cPLA_2mRNAレベルの変化は微弱だがcPLA_2蛋白量は著明に増加する場合(肥満細胞、骨芽細胞)、(3)cPLA_2mRNA、蛋白量ともに増加する場合(マクロファージ)があることを明らかにした。特に骨芽細胞では、cPLA_2の発現はアラキドン酸代謝の最終産物であるPGE_2によるpositive feedbackを受けることを見出した。 【2】アラキドン酸代謝系酵素群との機能連関:哺乳動物細胞に広く一般に認められるアラキドン酸代謝の異なるフェーズ(即時相、遅発相)におけるcPLA_2の機能的関与について検討し、以下の結果を得た。(1)即時相ではcPLA_2とシクロオキシゲナーゼ(COX)-1の両常在性酵素の機能連関により、線維芽細胞ではPGE_2、肥満細胞ではPGD_2、マクロファージではTXA_2が主に産生された。一方、予めCOX-2が発現誘導された細胞に即時応答を惹起した場合には、骨芽細胞やマクロファージにおいて、cPLA_2とCOX-2の機能連関の結果PGE_2の産生が見られた。(2)遅発相では、多くの細胞でcPLA_2と誘導型COX-2の機能連関により、主にPGE_2が産生された。また、線維芽細胞、肥満細胞、マクロファージでは、cPLA_2と誘導型分泌性PLA_2の協調作用がCOX-2依存的な遅発型PG産生に必須であった。このように、cPLA_2は発現誘導の有無によらず即時、遅発両応答に寄与し、PG産生を制御していることが示された。 【3】cPLA_2相互作用蛋白の同定:cPLA_2と特異的に相互作用する60kDaの蛋白を種々の細胞内に検出した。現在、本蛋白がcPLA_2活性調節の一環を担っているものと予想し、その精製とクローニングを目指している。
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