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1995 年度 実績報告書

子宮頸癌抑制遺伝子のクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 06454185
研究機関大阪大学

研究代表者

湯通堂 満寿男  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)

キーワード子宮頸癌 / 癌抑制遺伝子 / ヒトパピローマウイルス
研究概要

子宮頚癌は16型や18型のヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされるが、HPVのがん遺伝子が発現しただけでは癌化は起こらない。それに加えて、細胞側のがん抑制遺伝子が不活化することが必須である。本研究は、子宮頚癌に関係したがん抑制遺伝子をクローニングし、その実体を明らかにすることを目的としている。
我々は、ヒト正常細胞由来のcDNA発現ライブラリーを腫瘍原性の子宮頚癌細胞株にトランスフェクトし、増殖が抑制された細胞を選択することによってがん抑制遺伝子の候補となるcDNAクローン(AF337)を得た。この遺伝子は約380アミノ酸からなる転写因子様蛋白をコードしており、in vitroトランスレーション系では45-50kDの蛋白として検出された。mRNAの発現は調べた全ての組織で見られ、特異性はなかった。また、細胞周期にも影響されず一定の発現を示した。子宮頚癌を含めたいろいろな癌細胞株での発現を調べたところ、胃癌や膵臓癌など一部でこの遺伝子の発現低下が認められた。子宮頚癌細胞中でこの遺伝子に変異が起こっているかどうかをRT-PCR/SSCPで調べたが、まだ検出できていない。
この遺伝子を親株やRat-1にトランスフェクトすると、得られる薬剤耐性の細胞コロニー数はコントロールの25-50%に低下した。しかも、それらの細胞はほとんど全てこの遺伝子を発現していなかった。従って、この遺伝子は細胞増殖を抑制する活性を持つと思われるが、誘導ベクターを用いる方法、トランスフェクションをして一過性の影響を調べる方法などの直接的な証明にはまだ成功していない。次年度はマイクロインジェクションを試みるつもりである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Shimakage et al.: "Tumorigenicity of EBNA2-transformed cells." FEBS Letters. 371. 245-248 (1995)

  • [文献書誌] H.Okamura et al.: "Cloning of a new cytokine that induces INF-γ production by T cells." Nature. 378. 88-91 (1995)

  • [文献書誌] M.Shimakage et al.: "Involvement of Epstein-Barr virus expression in testicular tumors." J.Urol.(in press).

  • [文献書誌] J.Pan et al.: "Isolation of a novel gene down-regulated v-src." FEBS Letters. (in press).

  • [文献書誌] 小林信之・永田恭介編: "ウイルス実験プロトコール" メジカルヴュ-社, 360 (1995)

  • [文献書誌] 微生物病研究所編: "病気のバイオサイエンス" 大阪大学出版会, 234 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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