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1996 年度 実績報告書

子宮頸癌抑制遺伝子のクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 06454185
研究機関大阪大学

研究代表者

湯通堂 満寿男  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)

キーワード子宮頸癌 / 癌抑制遺伝子 / ヒトパピローマウイルス
研究概要

子宮頚癌は16型や18型のヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされるが、HPVのがん遺伝子(E6E7)が発現しただけでは細胞はがん化しない。HPVのがん遺伝子に加えて、細胞のがん抑制遺伝子が不活化することが必須である。本研究は、子宮頚癌に関連したがん抑制遺伝子をクローニングし、その実態を明らかにすることを目的としている。
我々はこれまでに、ヒト正常細胞由来のcDNA発現ライブラリーを腫瘍原性の子宮頚癌細胞株にトランスフェクトし、増殖や腫瘍原性が影響を受けた細胞を選択することによって、がん抑制遺伝子の候補となるcDNAクローン(AF337)を分離することに成功している。この遺伝子は約380アミノ酸からなる転写因子様蛋白をコードしており、細胞の増殖を抑制する活性を持つと考えられる。
今年度は、この遺伝子についてさらに詳しく調べるために、この遺伝子産物に対する抗体の作成を試みた。GSTとの融合蛋白は収量が低く精製に苦労したが、最終的に抗体を得、約45kDの蛋白を検出することに成功した。この遺伝子は細胞増殖を抑制するが、その発現は細胞周期により変化することはなかった。現在、細胞内局在、複合体形成、各種がん細胞での発現などについて調べている。また、AF337が細胞周期の特定の時期に停止させるかどうかを調べるため、細胞表面マーカーと共に親株にトランスフェクトし、FACSで解析したが、周期パターンに大きな変化はなかった。このことから、この遺伝子は細胞増殖を周期非特異的に止めると推測できる。次に、このAF337蛋白のターゲット蛋白(遺伝子)を分離する目的でtwo-hybrid法を試みた。現在までに、1クローン分離できたが、これは同じ遺伝子のロイシンジッパー部分を持ったものであった。このことから、AF337はロイシンジッパーによりホモダイマーを形成することが明らかになった。さらに、この遺伝子の転写活性化能をone-hybrid法で検討したが、転写活性化能は認められなかった。今後もさらに、この遺伝子の細胞増殖抑制機構について解析を進める必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] J.Pan et al.: "Isolation of a novel gene down-regulated by v-src." FEBS Letters. 383. 21-25 (1996)

  • [文献書誌] M.Shimakage et al.: "Involvement of Epstein-Barr virus expression in testicular tumors." J.Urol.156. 253-257 (1996)

  • [文献書誌] M.Yamaguchi et al.: "Immunophenotypic features and configuration of immunoglobulin genes in hairy cell leukemia-Japanese variant." Leukemia. 10. 1390-1394 (1996)

  • [文献書誌] M.Shimakage et al.: "Increased sensitivity of EBNA2-transformed rat fibroblasts to ionizing radiation." Int.J.Cancer. 68. 612-615 (1996)

  • [文献書誌] 平松啓一・山西弘一編: "標準微生物学" 医学書院, 540 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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