研究課題/領域番号 |
06454197
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
|
研究分担者 |
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
中村 正聡 群馬大学, 医学部, 助手 (10251092)
狩野 繁之 群馬大学, 医学部, 講師 (60233912)
|
キーワード | マラリア / 熱帯熱マラリア原虫 / 抗原蛋白 / 防御免疫 / ワクチン |
研究概要 |
47kD分子に対する2つのモノクローナル抗体PfIC5およびPfIID5を用いて、その分子の局在を共焦点レーザー走査顕微鏡により検討したところ、PfIC5は分裂体内のメロゾイトの中央部分のエピトープを認識し、PfIID5はメロゾイト表面抗原を認識している像が得られた。2つのモノクローナル抗体による局在像の違いは、3つの異なった分離株(SGE1株:ガンビア、FCB2株:コロンビア、TAK株:タイ・ミャンマー国境地域)間で同じ結果を得た。よって、2モノクローナル抗体によって捉えられたエピトープは、分離地域が異なった原虫間で共通に提示されている分子であることが示された。また、PfIID5よって認識される分子の局在はメロゾイト表面にあることから、免疫システムにそれが取り込まれやすいであろうことが示唆された。SGE1株を6年度申請設備備品のマルチガスインキュベータ-を用いて大量に培養することに成功し、その寄生赤血球より熱帯熱マラリア原虫由来のタンパク分子をグラムオーダーで得た。得られたタンパク分子をSDS処理し、電気泳動後ウエスタンブロット法により転写された抗原分子と流行地で採取した急性期および慢性期患者血清とを反応させ、47kD、23kDのそれぞれの分子との反応性を確認した。さらに6年度申請備品のプレップセルシステムを用い、上記抗原タンパク分子の連続分取を開始した。分取したタンパク分子画分につきSDS-PAGE、HPLCによりその純度を確認している段階にある。今後純化された抗原分子が大量に収集できたことが確認されれば、即刻ヨザルより得たリンパ球と反応させ、幼若化現象に始まる免疫原性に関する研究を開始することができる段階にある。
|