研究課題/領域番号 |
06454202
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
大友 弘士 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80072916)
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研究分担者 |
斎藤 三郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10186934)
牧岡 朝夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90119850)
片倉 賢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10130155)
渡辺 直熈 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00057019)
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キーワード | 皮膚リーシュマニア / Leishmania amazonensis / 自然抵抗性 / 感染抵抗性 / 遺伝子 / マッピング / マウス / NK細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、Leishmania amazonensis感染マウスにおいて、自然抵抗性遺伝子の遺伝様式および遺伝子座を決定すること、ならびに感染の場としての皮膚におけるマクロファージの殺原虫活性とそれを調節する各種細胞とサイトカインの影響を免疫学的に解析することで、南米皮膚リーシュマニア症の発現機序を明らかにすることにある。本年度は、マウスの感染抵抗遺伝子のマッピングを試みるため、(BALB/cx SJL/J)F1×SJL/JのN2マウス72匹について、各個体の感染抵抗性(病変の有無)と、リーシュマニアの感染を制御する遺伝子としてこれまで報告のある遺伝子との連関について検討を行った。解析の方法としては、マウス染色体上のマイクロサテライトDNAを標識DNAとし、その多型をPCR法によって検出するというLanderらの方法を用いた。その結果、皮膚リーシュマニア症を制御するマウスの遺伝子として報告されている、L. major感染に対するScl 1遺伝子(第8染色体)およびL. mexicanaに対するScl 2遺伝子(第4染色体)との関連は認められなかった。また、L. donovaniの肝臓内での初期増殖を支配するLsh(Bcg/Ity)遺伝子(第1染色体)との連関も見られなかった。したがって、L. amazonensis感染によるマウス皮膚リーシュマニア症の発症は、既知の感染抵抗遺伝子とは異なる、未知の遺伝子によって支配されている可能性が強く示唆された。一方、皮膚の免疫担当細胞と感染抵抗性との関係について解析した結果、抗アシアロGM-1抗体を投与したマウスにおいては対照に比して皮膚病変の形成が早期に起こることが明らかとなり、NK細胞の発症への関与が強く示唆された。
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