胸腺外T細胞分化

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06454216
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
• 研究分担者: 古関 明彦 千葉大学, 医学部, 助手 (40225446) ; 菅野 雅元 千葉大学, 医学部, 助教授 (40161393)
• キーワード: Vα14T細胞 / 胸腺外分化 / 均一な抗原受容体 / 胎児肝 / 受容体遺伝子再構成

研究概要

胸腺外組織で分化しているT細胞は、均一なT細胞抗原受容体Vα14Jα281を表現する、特殊な細胞である。この細胞の分化には胸腺の存在を必要とせず、通常のT細胞とは全く異なる分化様式を持つと考えられた。そこでVα14受容体を指標に胎生初期のVα14T細胞分化を調べた。
その結果、(1)Vα14Jα281受容体遺伝子の発現は胎生9日から検出される。この受容体を持つ細胞は母由来の混入でないことはRAGKO×B6マウスにおけるVα14TCRの検出、およびBALB/cxB6マウスの父親由来Vα14TCR遺伝子の検出によって確認した。(2)VβレパトアはVβ8が主である。(3)胎生13日では主として胎児肝で爆発的に増加する。(4)RAG遺伝子の発現は胎生90日から既に存在することがPCR法よって確認できた。

研究成果

• [文献書誌] Adachi,Y.: "Positive selection of invariant Vα14+ T cell by non-major histocompatibility complex-encoded class-1 molecules expressed on bone marrow-derived cells." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.(In press).
• [文献書誌] Ohki-Hamazaki,H.: "TCR repertoire in early fetal mouse thymus." Int.Immunol. (In press).
• [文献書誌] Sumida,T.: "Prevention of insulitis and diabetes in β2-microglobulin-deficient non-obese diabetic mice." Int.Immunol.6. 1445-1449 (1994)
• [文献書誌] Makino,Y.: "Extrathymic differentiation of a T cell bearing invariant Vα14Jα281 TCR." Intern.Rev.Immunol.11. 31-46 (1994)
• [文献書誌] Kanno,R.: "Genetics in Wild Mice: Its Applica on to Biomedical Research" Moriwaki,K.,Shiroishi,T.and Yonekawa,H., 333 (1994)