研究課題
一般研究(B)
1. 産業界で実施可能な人間工学的対策に比較的容易に結びつけられるように現場の職務負担を分析し、分析結果から改善行動を促せるようにするシステムを2年度計画で開発した。2. 平成6年度に、人間工学的職務負担の主要因として、運搬と移動、ワークステーション操作、情報表示、有害源の隔離、休養衛生施設、作業編成を選定した。これらの改善点に結びつけられ負担評価システムを生理的負担の連続記録、自覚的負担評価、改善対策チェックリストから構成した。3. 実作業中の心拍数、動作筋電図積分値、上体傾斜角度と作業内容番号をICメモリに記録し、パーソナルコンピュータで解析する負担監察モニター連続記録装置を設計し、実用化した。タイムスタディ観察による結果を約5m以内から赤外線通信により取り込む方式とした。自覚的評定は、疲労自覚症状、疲労部位、負担評定を質問紙により行う手法によった。改善対策チェックリストは、対象職務に適したチェックポイントを選び、チェック結果をグループで討議にかける方式とした。4. 平成7年度に、この評価システムを機器操作場面などの現場作業に応用し、作業態様の観察から実施可能な改善策を洗い出せるチェックリスト試案を作成した。このチェックリストを連続記録および質問紙の解析結果と組み合わせて応用するさいの問題点について検討した。5. 以上の検討結果に基づき、負担監察モニターによる連続記録、負担の自覚的評定、改善対策チェックリストからなる職務負担評価システムを汎用性の高いパッケージとしてまとめた。これらの方法を組み合わせて、応用するさいの問題点、留意点についても考察を行った。