研究課題/領域番号 |
06454237
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
能勢 隆之 鳥取大学, 医学部, 教授 (10032195)
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研究分担者 |
岩井 伸夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (80191906)
黒沢 洋一 鳥取大学, 医学部, 助手 (50161790)
大城 等 鳥取大学, 医学部, 助教授 (40160486)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 骨折 / 転倒 / 運動機能 |
研究概要 |
鳥取県の某町の住民で、平成5年度の老人保健法にもとづく基本健康診査の受診者のうち、受診時に60歳以上であった192名を対象として抽出し、転倒による骨折予防を目的に、踵骨骨塩量、運動機能、生活活動度調査、転倒調査を行った。平成7年度は、平成6年度に行った転倒カレンダーの回収を行い、同じく平成6年度に実施した踵骨塩量、運動機能、生活活動度調査の結果と併せて解析を行った。各調査結果と年齢との関係、転倒の頻度に影響を及ぼす要因を解析した結果、運動機能については、年齢との相関が高かった項目として、男性では椅子立ち上がり時間、握力、視力、重心動揺距離、上腕三頭筋筋力、女性では椅子立ち上がり時間、速歩歩数、大腿四頭筋筋力、速歩歩行速度、FUNCTIONAL REACH、通常歩行歩数、上腕三頭筋筋力があった。また、年齢を従属変数とした重回帰分析を行い、男性では椅子立ち上がり時間、握力が、女性では、通常歩行の歩数及び上腕三頭筋筋力がモデルとして採用された。踵骨骨量は男女とも加齢に従い、減少する傾向が明らかであった。年齢との相関係数は男性で-0.406、女性で-0.751と女性が高かった。高齢になるにつれ、外出の頻度が低下するなど、活動性が低下してくることが認められた。転倒は、男性では18%、女性では33%が過去1年間に転倒していた。加齢と共に転倒回数が増加する傾向が見られた。また、男性に頻回転倒者が多い傾向が認められた。転倒回数を従属変数として、性、年齢、運動機能、日常生活活動度との関連を明らかにする目的で重回帰分析を行った結果、男性では重心動揺面積と眼鏡の使用、過去の転倒によるけがの既往とが転倒回数と関連があると認められた。女性では、眼鏡の使用が関連していた。観察期間中1例の大腿骨頚部骨折が発生した。現在対象集団を約3倍に増やし、観察を継続しているので、今後、転倒・骨折のリスクをより詳細に検討できると考えている。
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