研究課題/領域番号 |
06454239
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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研究分担者 |
和泉 喬 長崎大学, 医学部, 講師 (20039556)
千住 秀明 長崎大学, 医療技術短大部, 助教授 (30179361)
門司 和彦 長崎大学, 医学部, 助教授 (80166321)
太田 保之 長崎大学, 医療技術短大部, 教授 (50108304)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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キーワード | 噴火災害 / 健康影響 / 刺激症状 / 呼吸機能障害 / アンケート調査 / 喘息 / 呼吸器疾患死亡率 / ストレス |
研究概要 |
雲仙普賢岳噴火の被災地である長崎県島原市(対象数約3500名)及び深江町(約1000名)において次のような調査を行った。 1)感覚器官・皮膚粘膜への刺激に関するアンケート調査:最も高率であったのは眼の症状であり、島原市住民の46%、深江町住民の30%が訴えていた。続いて訴えの多いのは喉の症状(30%と26%)であり、皮膚がかゆいなどの皮膚症状も島原、深江ともに高率であった。これら平成6年度の有訴率は噴火が最も激しかった頃より低下していた。島原市の小中学生(約3000名)での調査でも最も高率なのは眼に関する症状であった。喘息発作の頻度が増えた、発作の症状が強くなったとの訴えも小学生では4-5%存在した。これらの児童での喘息発作と噴火や家庭環境等との関連については現在調査中である。 2)スパイロメトリーによる呼吸機能障害:呼吸機能検査で被検者の約2割に呼吸機能障害が認めらた。特に大気汚染と関連の深いとされる閉塞性障害の頻度は噴火の影響のない地域より高率であった。現在自覚症状と呼吸機能の障害等との関連について検討中である。 3)呼吸器疾患の死亡率:気管支炎・肺炎などの急性呼吸器疾患と肺気種・慢性気管支炎・喘息といった慢性呼吸器疾患の死亡率の推移を長崎県全県および島原半島各市町間で比較したが噴火影響と思われる差異は認められなかった。 4)全般的健康状態の推移:深江町で噴火前から現在にいたる老人保健法の基本健診結果の推移をみると、噴火最盛期の平成3年にかけてはBMI(Body Mass Index)血圧、総コレステロールとも高値となったが、平成6年度では低値となる傾向が認められた。
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